2013 Fiscal Year Research-status Report
長期的顧客価値の導出と企業の意思決定支援モデルの構築
Project/Area Number |
25380562
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 誠 東京大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (70302677)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | CRM / スキャンパネルデータ / ベイズ統計 / ソーシャルネットワーク / 顧客生涯価値 |
Research Abstract |
本研究では以下を目的としている。(1)CRM、データベース・マーケティングにおける既存の規範モデルを学術研究、実務の両方の視点からレビューし、それらの利点、弱点、限界、実用性などを評価する。(2)計量的な顧客の行動モデルを構築し、既存顧客に対する個人別マーケティング戦術、新規顧客に関する獲得戦略、企業価値を表わす新たな指標の導出を試みる。(3)国内外、複数業種におけるFSP, ID 付POS, e-commerce から収集される顧客データを使い、モデルの検証をする。 既存研究のレビューは継続的に行っている。また実証研究では、顧客データベースを使って、消費者行動をベイズ統計のフレームワークに基づいてモデル化する研究を行った。データとしては、ID付POSデータ(スキャンパネルデータ)、E-コマース・データ、ソーシャルネットワーク(Twitter)データなどを使っている。 スキャンパネルデータでは、消費者のブランド選択行動を再解釈し、消費者個人の内面にある絞り込まれたブランドの集合を考慮した選択モデルを構築し、実証を行った。消費者行動研究分野で提示されていた内部探索・外部探索・学習の概念を整理し、繰返し購買による動的な観察された購買行動を、消費者の情報処理の観点から経験集合という概念を導入した。E-コマース・データでは、どの顧客に、何時、どのような介入を行うべきか、を長期的な顧客生涯価値を最大化させるような維持介入戦術を考察した。『Twitterネットワーク上の影響伝播』では口コミという非金銭的な効果を分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度ということもあり、方向性を見極めるためにも研究を探索的に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、以下の課題を順次、進めたい。 個人レベル・モデルの展開、提案されたモデルのプログラミング、データへの応用とパラメータの推定、従来型モデルとの比較、検証、共変量との関連付けを探索、意思決定支援システムの構築
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していたトルコ、イスタンブールでの海外研究発表が、デモにようる治安悪化のために、キャンセルする必要があったため、余剰が生じた。 海外研究発表は、次年度以降に延期して予算を使用する予定。
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