2014 Fiscal Year Research-status Report
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25380593
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| Research Institution | Hitotsubashi University |
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Principal Investigator |
挽 文子 一橋大学, 商学研究科, 教授 (00251728)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 医療の質 / 介護の質 / アメーバ経営 / 部門別原価計算 / 部門別管理 / 病院経営 / 経営管理 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的にあるように、管理会計が医療組織および介護組織の経営管理において果たす役割ならびに管理会計と医療・介護の質との関係を実証的に検討するために、複数の社会医療法人、社会福祉法人および公立病院の理事長・院長、コメディカル部門の長、各介護部門の長等に対してインタビュー調査を実施するとともに、内部資料の閲覧等を行った。
加えて、一般に入手可能な著書および論文を対象として文献研究を行った。なお、インタビューについては同席させた学生（学部生と大学院生）に、インタビュー時にメモを取らせるとともに、後日テープ起こしをしてもらい、細部にいたるまでもらさないよう注意を払った。また理事長・院長が執筆した論文と学会報告資料等を入手し、その検討も行った。
平成26年度は上記のような研究方法に基づく研究成果として、日本会計研究学会全国大会統一論題において報告を行い、雑誌『會計』に論文を投稿した。論文で注目したのは、医療組織への普及が進むアメーバ経営である。アメーバ経営は製造業で誕生した管理会計システムであり、医療組織への導入に際しては、その仕組みがそのまま適用されるのではなく、一定の工夫が施されている。本論文ではそうした事実を明らかにした。また、医療の質と効率の向上に必須の管理を促進させることに管理会計が貢献していることを具体的に明らかにした。これまでの管理会計研究に欠如していた医療の質と経営の質の同時達成のための具体的な経路と仕組みを実証的に解明したことによる学界への貢献は少なくない。さらに、製造業であれ医療等のサービス業であれ、有能な経営者たちには普遍的な要素があること、すなわち事業を通じて社会に貢献するという使命と適正な利益というものは決して相反するものではなく、道義に基づき社会に貢献した報酬として社会から得られるものが適正利益だと考えていることを明らかにした。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は公益性が高いといわれる民間病院・介護施設（社会医療法人と社会福祉法人）ならびに公立病院への実態調査に基づく実証的研究である。研究に協力いただけるリサーチサイト探し、交渉、事前調査、半構造的インタビューのための質問票の作成、訪問調査、テープおこし等のために膨大な手間と時間を要する。連携研究者や学生の助けを借りながら研究を進めた結果、研究の目的に照らしておおむね順調に研究が進展している。研究成果としても日本会計研究学会全国大会における統一論題報告と雑誌『會計』への論文掲載、さらに廣本敏郎一橋大学名誉教授との共著『原価計算論－第３版』にもその研究成果を反映させた（出版は2015年4月20日）。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成27年度も引続きインタビュー調査に基づくケースリサーチを進めるとともに、文献研究を行う。またこれまでの調査に基づくケースならびに論文を執筆する。ケースを積み上げたうえで、それを統一した分析フレームワークに基づき整理し、秋以降からは出版に向けて著書（原稿）の執筆を開始する。冬にはケースで取り上げた社会医療法人、社会福祉法人および公立病院の理事長等を中心とするシンポジウムを開催する予定である。そのための打ち合わせを夏から始める。
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