2017 Fiscal Year Annual Research Report
Management Accounting for Managing Relations with Suppliers
Project/Area Number |
25380595
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木村 彰吾 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (10225039)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 管理会計 |
Outline of Annual Research Achievements |
サプライヤーとの関係性は、バイヤーを最終製品製造メーカー、サプライヤーを素材・部品製造メーカーを前提として分析される研究が多く、電化製品や自動車業界をケース・スタディの対象とする場合が多かった。しかしながら、自動車や電化製品は情報技術やシェアリング・エコノミーの進展により、そのビジネス・モデルが変容しつつある。特に、自動車は、 EV化、自動運転、コネクッテド化等により、ビジネス・モデルの著しい変容が予測されると共に、グーグル、ウーバーなども潜在的な競争相手と捉えられつつある。そうした中、テスラ自動車は電動自動車専業のメーカーとして存在感を示しており、テスラ自動車のサプライ・チェーンについて、テスラ自動車のCTOの講演などに基づいて調査研究を行った。 テスラ自動車は、量産化を目指しているが、現時点では生産量が限定的であること、部品点数がガソリンエンジン車に比べてはるかに少ないことから、現時点では部品メーカーと系列のような関係性は構築していない。部品の調達については市場ベースで行なっており、取引先の選定にはネットも活用している。さらに、太陽光発電施設を建設中であり、自車に供給する計画を持っている。こうした取組や活動は、従来の自動車メーカーのサプライ・チェーン・マネジメントとは異なっており、エネルギー供給までも統合しようという取組は、バイヤーを最終製品製造メーカー、サプライヤーを素材・部品製造メーカーとする関係性を超えることが明らかになった。
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