2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25380596
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 秀樹 京都大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (80173392)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 会計システム / 国際会計基準 / 資産負債アプローチ / 非営利組織会計 / 比較制度分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
第3年度(最終年度)は,交付申請書に記載した研究実施計画に基づき,(1)会計システムの制度分析と,(2)比較制度会計学の構築に向けた研究を行った。その成果は,図書1冊,雑誌論文1本,学会発表4件として,公開した。以上の結果,補助事業期間(平成25年度~平成27年度)を通じて公開した研究成果は,図書2冊(うち単著1冊),雑誌論文7本(うち査読付論文2本),学会発表9件(うち招待講演4件,国際学会2件)となった。 政府・非営利部門における近年の会計制度変化は,比較制度分析(CIA)に依拠した研究にとって格好の素材を提供するものであった。政府・非営利組織の経済的重要性の高まりのもとで,ステークホルダーの意思決定に有用な業績情報を適正に開示するにはどのような財務報告制度が望ましいかを,理論と実証の両面から分析・検討した。その結果,政府・非営利組織の特殊性を踏まえつつも,複式簿記・発生主義の採用を含め,可能な限り企業会計の技法を関連諸制度に取り入れること,そして当該各技法を使いこなせる技量を政府・非営利組織において涵養することが重要な課題になることが,明らかになった。雑誌論文1本および学会発表5件は,以上の研究成果を取りまとめたものである。 単著は,制度派理論に依拠した財務会計の学習・研究の機会を広く社会一般に提供するために,研究代表者が過去約15年間にわたって手掛けてきた制度派会計学の研究成果を集成・標準化したもので,本研究の主目的である比較制度会計学の構築に係る研究実績の第一歩として位置づけられる。資産負債アプローチに依拠した新会計基準の設定に際しては,既存の会計基準全体を支える基本的な考え方との整合性が絶えず検討されており,そこに制度の力が作用していると解しうることなどを指摘した。雑誌論文3本および学会発表1件は,以上の研究成果を補完するものである。
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Research Products
(6 results)