2016 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical research on segment reporting: Evidence from Japan
Project/Area Number |
25380621
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
中野 貴之 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (70287952)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | セグメント情報 / マネジメント・アプローチ / プロプライエタリー・コスト / エージェンシー・コスト |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国の企業会計基準委員会(ASBJ)は、2008年に企業会計基準第17号「セグメント情報等の開示に関する会計基準」を設定した。同基準は、米国基準(財務会計基準書(SFAS)第131号「企業のセグメントおよび関連情報に関する開示」、および、国際財務報告基準(IFRS)(IFRS第8号「事業セグメント」に倣い、マネジメント・アプローチ(MA)を導入し、それを契機として日本企業のセグメント情報は変化している。本研究の目的は、新基準適用後、(1)セグメント情報はどのように変化したのかどうか【A.セグメント情報の開示行動に関する検証】、ならびに、(2) (1)の変化によってセグメント情報の有用性は向上しているのかどうか【B.セグメント情報の有用性に関する検証】という二点を、実証的に明らかにすることである。 本年度は、最終年度であるため、成果の発表を行った。【A.セグメント情報の開示行動】については、わが国においてセグメント情報が制度化されて以来のデータを分析し、MA導入前の約20年間はセグメント情報の内容にほとんど変化が見られなかったものの、MA導入後、その内容は有意に変化し、平均的にはセグメント情報の質は向上した事実を明らかにした。一方、【B.セグメント情報の有用性】については、MA導入後、日本企業全般において向上したとはいえないものの、とくに、従来、単一セグメントであった企業群を中心として向上した可能性があることを明らかにした。 これらの多くは学会発表や論文発表を通じて公表したものの、論文の改訂等を続けているものが一部ある。これらについても、今後、発表する予定である。
|