2014 Fiscal Year Research-status Report
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25380631
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Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
中村 恒彦 桃山学院大学, 経営学部, 准教授 (50368388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 泰洋 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (80324903)
澤登 千恵 大阪産業大学, 経営学部, 准教授 (30352090)
北浦 貴士 明治学院大学, 経済学部, 准教授 (00633489)
野口 昌良 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 教授 (70237832)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 財閥解体 / 規制空間 / 経路依存 / イデオロギー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、研究計画にもとづき、繊維・紡績会社に固有の規制空間形成という会計の機能を析出することであった。平成25年度は、データの整った財閥解体実務をまとめて、カンファレンスペーパーにまとめることができたが、本年度はその作業が滞っている。 最大の原因は、方法論と研究対象との組み合わせの問題であり、これを解消するためには規制空間形成機能をもう一度問い直す必要があると考えられた。そこで、当該年度は、理論研究を中心に問い直す作業を行っていたが、急な方向転換もあり、十分に進めることができなかった。そのため、規制空間形成に関する先行研究および周辺研究についても積極的に検討・考察していく必要がある。 平成26年度は、日本会計研究学会第73回大会で発表したのち、その原稿を雑誌会計に掲載した。規制空間の提唱者である、Hancher and Moran [1989: 291]の「規制問題には、重大な意味で、イデオロギー的な構造物がある」とする指摘からもわかるように、規制空間形成は、その活動の正統性を設定・維持するための規範的言説に注目しなければならない。当該年度は、その基礎にあたるイデオロギーに関わる考察で終わってしまったが、来年度以降は、規制空間形成機能と財閥解体に関連させていく努力をしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データベース構築には目途がついたが、規制空間形成と財閥会計実務の関係性を考察する部分が遅れている。とくに、規制空間という切り口から財閥解体の会計実務を検討するためには、基礎的な文献の考察及び先行研究との比較考察も必要であろう。この点の考察が必要になったため、全体的なスケジュールに遅延が生じるとともに、予算の執行も遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方策として、次の3つを検討している。①財閥解体の会計実務だけでなく、その周辺の会計制度およびその社会経済環境に焦点を当てる。②規制空間形成と規範的言説の関係性を考察する。③現在の会計システムの源流を探るような形で財閥解体およびその規制空間を考察する。
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Causes of Carryover |
研究計画の遅れていること、とくに基礎研究の必要性があらためてわかったことにある。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
規制空間に類する研究をレビューするとともに、財閥解体の会計実務を検討するための枠組み作りに使用する。
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Research Products
(2 results)