2015 Fiscal Year Annual Research Report
自動車静脈系サプライチェーンにおけるMFCAの適用に関する研究
| Project/Area Number |
25380632
|
|---|
| Research Institution | Okinawa International University |
|---|
Principal Investigator |
木村 眞実 沖縄国際大学, 産業情報学部, 准教授 (80516865)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
| Keywords | マテリアルフローコスト会計 / 再資源化 / 使用済自動車 / 静脈産業 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、資源として価値が見込める物質が再資源化されずに処分されている現状を鑑み、環境管理会計における一手法であるMFCAを用いて、再資源化の可能性について提言を行うことを目的とした。具体的には、使用済自動車（ELV)を対象として、資源の「現状フロー」と再資源化の「提言フロー」を示し、両フローの物量情報と金額情報を明確に示すことを行った。
初年度の平成25年度と第2年度の平成26年度では、広島資源循環プロジェクトの参加企業の協力を得て、ELV由来のワイヤーハーネス付着物等に関して、ワイヤーハーネス付着物、コントロールボックス、およびコンピュータボックスの回収試験を実施した結果、想定した2つの解体方法（手解体と破砕）のうち、手解体による方法では、効果金額（＝評価金額－経費金額）は全ての品目においてプラスとなることが明らかになった。なお、当該研究は拙著[2015]における「提案型MFCA」の着想となった。
さらに第2年度の平成26年度では、樹脂の再資源化に関する情報収集を行い、これまで、廃車ガラとしてシュレッダー処理されていた樹脂（PP・PE・ABS)が樹脂の再資源化業者においてリサイクル樹脂としての利用が可能であることが、関係事業者へのヒアリング等によって明らかとなった。
そこで、最終年度の平成27年度では、解体業者A社の協力を得て、樹脂部品の再資源化の現状と課題について調査を行った。その結果、「現状フロー」と「提言フロー」を構築することが出来たうえ、さらに、現状では樹脂部品の回収を行っていないが、回収を行い、再資源化を実施する必要性が明らかとなった。なお、樹脂部品の効率的な回収にあたっては、いわゆる環境配慮設計（DfE）（特に易解体性）を通じた動脈側（メーカー）と静脈側（再資源化業者）との間のパートナーシップが必要であり、この点は次年度以降の研究の着想となった。
|
