2017 Fiscal Year Annual Research Report
The slection of chief mouner indicates family structure and regional transformation in modern-day.
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25380655
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| Research Institution | Chiba University |
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Principal Investigator |
金沢 佳子 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 人文社会科学研究科特別研究員 (10631426)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 喪主身分 / 「家」観念 / 近代家族観 / 長男喪主 / 駆けつけ喪主 / 単独喪主 / 複数喪主 / 夫婦喪主 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主眼は、地方紙「おくやみ」欄の喪主身分を通して現代家族の姿を探る点にある。75歳以上の逝去男性に照準し、喪主が配偶者であれば近代家族観、子どものなかでも長男ならば「家」観念に依拠しているとして、本年度は、2017年1月の身分調査を実施し、2007年同月との比較を行った。
この10年で葬送は「家族葬」が主流となり、それに伴い、遺族の意識も変化したと思われたが、列島全体における単独の喪主身分は殆ど変化なく、九州西南部を除き「長男喪主」が６割超であった。この数値は三世代同居率と整合せず、別居の長男が「駆けつけ喪主」として数値を押し上げており、葬礼においては未だ「家」観念が残っている。
だが、注目したいのは「複数喪主」を擁立する県の存在である。長野県では、2007年時、前述逝去者の27.8％が2017年は東信地区中心に49.5％に、2007年時に皆無だっ山梨県は49.3％と急増し、「慣習」といってよい数値になった。組合せは、寡婦と子、子ども同士だけでなく、親族同士もあり、さらには、夫婦で喪主になる記載も登場した。娘が婚出し、喪家姓を名乗る子がいない場合、他県では「娘の夫」が喪主になるケースが大勢だが、「夫婦喪主」として実娘が名を連ねている。山梨県では、喪主欄とは別個に兄弟姉妹の名も掲げている。今日の葬礼は「家」観念と近代家族観が拮抗することなく融和しているが、それは、少子高齢化の親子別居という生活形態がもたらした「家族みんなで送り出したい」とする意識の表徴か。
調査結果をA４版28頁の冊子として、全国の地方新聞社や市町村おくやみ担当等に配布したところ、数社の新聞社から詳細を紙面で紹介したいとの申し入れがあった。「おくやみ」欄は既読率の高いページとして重視されており、喪主身分から現代家族の意識や構造、地域の変容を探った調査は、新聞社も、生活者に届ける興味深い情報と捉えている。
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