2015 Fiscal Year Annual Research Report
地域・職場のワーク・ライフ・バランスと家族形成・パートナー関係
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25380658
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
不破 麻紀子 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (40451877)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 社会学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は大規模パネル調査とWLB環境データを用いて,現代日本における地域・職場のWLB環境の現状と変化を検討し,さらにこれら要因が結婚・出生・パートナー関係に及ぼす影響の分析を行った.使用したデータは東京大学社会科学研究所が2007 年より毎年実施しているパネル調査「働き方とライフスタイルに関する全国調査」である. 具体的には,パネルデータを用いて,1)個人の職場環境の変化と結婚・出産・家事分担の因果関係の分析,2)都道府県のWLB環境の分析,3)さらにマルチレベルの視点を用いて,それら地域レベルのWLB環境が個人の職場のWLB環境とその変化がもたらす結婚・出生および家事参加への影響にどのように関与しているのか,相互関連のメカニズムを検討した. 分析からは,WLB環境の充実は,1)既婚男性の家事参加や家庭参加,生活満足度などを向上させることが明らかになったが,その効果は,限定的であることも示された.2)しかし,既婚女性については,WLB環境が女性の家事負担の増加に関連していることが見いだされ,WLB環境の充実が女性の二重負担を増加させる恐れがあることも示唆された.3)結婚意欲や出生意欲との関連では,専門職以外の女性に関しては,仕事での裁量の大きさが結婚意欲や出生意欲と正の関係にあることが示された.
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