2014 Fiscal Year Research-status Report
計量社会学的手法による新しい若者研究の基盤形成のための調査研究
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25380661
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
轟 亮 金沢大学, 人間科学系, 教授 (20281769)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 若者文化 / 政治意識 / インターネット調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究業績としては、第1に、平成25年度に実施した、若者の社会意識・社会行動に関するインターネット調査(全国男女、25歳以上34歳以下、サンプルサイズ3000)データを分析し、基礎集計表および調査の基礎情報を含む報告書を刊行した。若者の現代的な行動・意識である、音楽聴取、自己啓発・成功体験談への志向、ファッション選択行動、「ごほうび」的な消費行動、友人関係志向、睡眠満足度等と、社会的属性(職業、教育、都市規模など)や基礎的社会意識変数(権威主義的態度等)との関連を分析し、報告書としてまとめた。 第2に、2015年1月に、首都圏20地点の居住者(調査時点で20~59歳の男女)を対象として、サンプルサイズ500のインターネット調査を実施した。無作為抽出によって選ばれた調査対象市区町村に在住する、調査会社の公募登録モニターから、1地点25ケースを割り当て、目標回答数充当法によって回収した。回収標本において20代が12%、30代が30%であり、それよりも高い年齢層と比較が可能な設計とした。質問項目は、基本的属性項目の他、メディアを利用した情報摂取行動、喫煙行動、職場に関する評価、政治意識・政治行動、階層帰属意識、生活満足度などである。本調査は、同地点(同自治体)で同時期に実施した、他の調査モードによる調査と同じ質問を多く含んでおり、モニター型インターネット調査の特性について分析することができる設計としている。以上の調査を実施し、調査データを収集した。 第3に、現代の若者の生活満足(幸福感)に関する近年の議論について検討し、先行研究で用いている世論調査の質問文の変更について発見をし、その上で90年代の「若者の幸福化」命題の再検証を行って、分担著書の原稿を執筆した(平成27年度に刊行予定)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに、第2回のインターネット調査を実施したため。他の調査モードのデータと比較することで、データの質を検証することが可能な調査設計を取ることもできた。また、第1回のインターネット調査のデータ分析による報告書を刊行することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
第1に、大学生へのインタビューをさらに時間をかけて行い、把握すべき若者の社会意識・社会行動・社会的知識・価値観のポイントを抽出する。そのための、研究基盤は構築済みである。 第2に、計画通りに新しい質問項目を設定したインターネット調査を、これまでの知見を活かして実施する。 第3に、若者論、青年社会学・心理学を専門とする研究者から専門的な立場での研究交流を促進する。学会報告、研究会開催をベースとする。 第4に、研究協力者を含む若手社会学者との共同を深め、専門職層の若者をターゲットとする行動分析を踏まえた論文の準備を進める。
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Causes of Carryover |
インターネット調査の調査委託費が想定よりも安価であったため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度分として請求した助成金と合わせ、次年度に実施する第3回インターネット調査の設計において、サンプルサイズや質問項目、調査設計、メタデータの取得に関する充実を図り、データの質の向上に用いる。
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Research Products
(1 results)