2015 Fiscal Year Annual Research Report
計量社会学的手法による新しい若者研究の基盤形成のための調査研究
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25380661
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
轟 亮 金沢大学, 人間科学系, 教授 (20281769)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 若者文化 / 価値意識 / インターネット調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の研究実績としては、第1に、若者の価値意識・生活行動に関するインターネット調査(全国男女20~29歳、調査会社のアクセスパネルを使用、地域5区分×性別×年齢2階級で割付、1,052人が回答)を2015年12月に実施した。質問項目の設計においては、研究室の学生との緊密なコラボレーションを行い、また若者研究の専門家からのアドバイスを得た(シンポジウム「グローバル時代における若年世代の価値に関する人間科学」および調査票設計・分析研究会を開催した)。今回新しく開発した質問項目は、仕事へのコミットメント、マイノリティへの寛容性、嫌消費志向、専門家や科学技術への態度などである。属性等をコントロールした基本的な多変量解析によって、権威主義的態度とマイノリティへの寛容性に、従来、成人全体データにおいて見られたものとは逆の関係が確認される等の知見を得、これらを分析レポートとして執筆した。 第2に、平成27年度に実施した調査データを含めて、調査モードによる回答時間の比較分析を行い、日本社会学会において学会報告を行った。そして、調査法研究に関する現代的な課題について、海外研究者からの聞き取り調査の知見を含め、学術論文を共著で執筆し、学会誌において発表した。これらは質の高い調査データ、特にCAIであるインターネット調査の方法を追求するための基礎研究として位置づけた。 第3に、若年層の幸福感(生活満足度)の推移に関する、重要とされている先行研究の主張を、調査データを用いて検証して、その問題点を明らかにし、関西社会学会において学会報告を行った。そこから展開し、日本の年長世代の幸福感の推移と、若年層のそれとを比較し、学校教育制度の意味を考察する原稿を執筆した(近刊予定)。
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Research Products
(3 results)