2013 Fiscal Year Research-status Report
農業・農村生活の価値づけに関する質的研究法を用いた実証的研究
Project/Area Number |
25380662
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
伊藤 勇 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (90176321)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 農業・農村の価値 / 質的インタビュー調査 / 事例研究 |
Research Abstract |
(1)実地調査:福井県越前市を中心にした農村地域で,農業・農村の持続・再生に関わる種々の取り組みに関わり,積極的に「農」の意味を語る実践者たちを対象に,「農」への新たな価値づけとその条件を探る半構造化インタビュー調査(主要質問項目約20で構成)を開始した。半構造化インタビューと並行して,25年度には,当地域での種々の取り組みの現況について,行政機関,関係団体,実践者等への聞き取り調査(統計・文書資料等の収集を含む)を行った。 (2)データ分析・解釈:インタビュー録音の文字起こし作業を行い,「農」を価値づける語彙と論理の特徴やバリエーションを把握するため,質的データ分析の考え方に沿って分析を開始した。また,記録に即して価値づけと当人の生活史上の経験や現在の営農・生活条件,交流関係,メディア接触等との関連も探った。 (3)文献研究:「農」の言説・表象,農業観や農業価値論に関する最近の実証的研究例について,欧米主要学術誌等を含めて,農業・農村関連主要学術誌の諸論文を検討・参照する一方,本研究に関連深い内外の質的データ分析の活用例についても検討・参照した。 (4)研究成果発表:本研究課題に関連し,村落社会研究における事例研究法やライフヒストリー的手法の意義について著名な研究者へインタビューを行った記録を紀要に発表した。また,アメリカにおける質的社会調査の展開とその示唆について,『社会調査事典』に1項目を依頼され執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
25年度の研究計画に示した4項目の課題のうち,実地調査,データ分析,文献研究の3つはほぼ計画通り着手できた。研究発表では,研究会での報告が日程の都合でできず次年度以降に延期したが,研究課題に関連する論文を執筆できた。
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Strategy for Future Research Activity |
延期した研究会での報告を26年度中に行い,研究評価を受けるとともに,アジア農村社会学会で研究発表を行い,海外研究者との意見交換を通して本研究課題の国際的意義づけを確認して,研究の推進力を得る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国内旅費の支出が,予定した研究発表を延期したこと等により,計画より少額になったため,全体で若干の未使用額が生じた。 26年度の研究発表用の国内旅費および外国旅費において使用する予定である。
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