2014 Fiscal Year Research-status Report
戦後期のアイヌ民族に関する施策・学術・報道をめぐる社会学的考察
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25380668
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
東村 岳史 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (20273211)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アイヌ民族 / 施策 / 学術 / 報道 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、いくつかの資料収集作業を行なった。施策面では、アイヌ政策推進会議のホームページから議事録のダウンロードなどを行なった。学術面については、人類学系の研究で、近年の遺骨問題に関係しそうな調査や報告の系譜的な整理を行なっている。報道については、北海道新聞の1980年代の記事を検索・複写したほか、最近の記事についても適宜切り抜きを行なっている。これらの資料収集についてはほぼ目途がついた段階である。 資料収集に加えて、施策・学術・報道三要素それぞれの側面および連関する局面における分析と考察の方向性についても検討している。中心的な論点は、2020年に一般公開が予定されている「民族共生の象徴となる空間」をめぐる動向である。アイヌ政策推進会議における議論そのものは、施策と学術の複合であるし、その報道がいかになされているかという側面も加えることができる。これまでのところ「象徴空間」に関してもっとも問題含みと思われるのが、大学等に保管されてきた遺骨の集約であり、施策と学術の結びつきが問われる。この件に関連して、政府の諮問機関等に関与する研究者の果たす(果たしてきた)役割についても考察を進めている。また、諸外国の事例として、遺骨や文化的遺産の保管や返還のあり方に関して参考になりそうなものの検討も行なっている。さらに、近年の動向をもう少し長いタイムスパンの中に位置づけるための適切な構成についても思案中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料収集が申請時の段階の予定とほぼ同様に進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
分析枠組みと要素間の連関等について考察を深めていきたい。
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Causes of Carryover |
最後の出張における旅費計算が予定より若干下回ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
少額でありまったく問題ない。
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