2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25380678
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中道 仁美 愛媛大学, 農学部, 准教授 (30254725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大友 由紀子 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 准教授 (00286121)
柏尾 珠紀 滋賀大学, 環境総合研究センター, 客員教授 (70414034)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 女性林業者 / オーストリア / 林業学校 / 職能教育 |
Research Abstract |
計画を実施するに当たり、森林、林業に欠かせない環境問題に精通した柏尾珠紀さんに分担者として加わってもらった。国内の研究は、中道と柏尾で行い、海外研究は大友が加わる計画となった。今年度は、文献読み込みを行い、海外調査は、研究の都合上オーストリアで行った。 オーストリア調査では、スタイヤーマルク州の森林・林業技術者の協力を得て、林業女性、関係機関への聞き取り調査を、調査票を用いて直接インタビュー形式で行った。スタイヤーマルク州を選定したのは、インフォーマントの林業技術者が中心となって、オーストリアの林業女性組織を結成していたからである。調査対象者は、多様な女性林業者で、森林所有者、林業経営者、職能資格であるマイスター取得者(林業、家政、農業など)、林業学校教員、学生、林業会社や公社に勤務する技能者などである。帰国後、調査内容の確認等を行う研究会を2回開催した。オーストリアでは、林業に関する職業学校制度が確立していること、また、生涯教育も普及しており、林業学校で学ぶものが多い。職業学校制度の中にジェンダー要素が見いだされたが、オーストリアでも、林業女性が見える形になりつつあり、技術分野への女性の参画も見られる。これらオーストリアの学校制度と林業教育について文献、及び実態調査研究をもとに、日本村落研究学会大会で報告した。 国内調査では、研究予定通り、資料収集、京都の林業女子会の調査が終了している。京都の林業女子会は、草分け的存在であり、森林・林業に関心を持つ人々の啓蒙的な側面を持つ。このことは、上記のオーストリアの林業女性組織と通じており、興味深い。この結果は、次年度の学会で報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オーストリア調査では、現地の協力者の甚大な努力により、調査は非常にハードであったが、予想外に多くの情報を収集することができた。そのため、これらをまとめるための作業時間が予想外に多く必要となった。しかし、予想外であったため、これらの調査をまとめるための十分な時間が取れていない。 文献調査については、資料等も少なく、実用的なものも多く、収集にまだ時間を要する。 上記のようなことを鑑み、当初の計画に照らしてみれば、調査は十分すぎる状況で進んでおり、研究はおおむね順調といえよう。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は計画通り、スウェーデン調査と、岐阜、静岡の林業女子会の調査を行いたい。昨年の調査結果のまとめをしつつ、資料・文献調査を継続したい。 また、今年度は学会で2回報告を行うつもりである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画申請時よりも、分担者が増え、各自の利用できる費用が大きく減少した。一方、研究者が3名となったので、当初の予定より打ち合わせ会議等の必要が出てきた。それ故、本費用の大半は海外調査に使用して、研究会費は大学研究費で賄った。 次年度はスウェーデンの調査が予定されており、本年度と同様に海外調査に多くの費用が必要であることから、無駄な支出を抑え、1円でも次年度に回そうと考えた。 研究会費の一部に利用したい。
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Research Products
(1 results)