2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25380687
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
川野 英二 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (20335334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹島 秀晃 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 講師 (30614656)
赤枝 尚樹 関西大学, 社会学部, 助教 (50645546)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 社会学 / 都市 / 貧困・社会的排除 / セグリゲーション / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではこれまで、都市社会政策と大都市における居住セグリゲーションの関係に焦点を当てて、インタビュー調査および質問紙調査を実施し、国際比較の観点から分析をおこなった。
【今年度の具体的内容】第一に、これまで助成期間中に実施した、1)セグリゲーション分析、2)関西の富裕地区で実施した貧困観やネットワークなどに関するインタビュー調査の分析、3)大阪のジェントリフィケーション地区で実施した質問紙調査によって得られたデータを整理し、分析をおこなった。第二に、フランスの共同研究者ととともに、パリとサンパウロ、大阪で実施した質問紙調査で得られた調査データをもとに、社会的紐帯の指標化と庶民地区における社会的紐帯の比較分析をおこなった。第三に、本研究の基本的枠組みをなす、欧州諸国の比較調査データを分析した『貧困の基本形態』を翻訳・刊行した。
【意義と重要性】予算削減のため、計画よりも対象地域を限定し、日本を中心とした調査にせざるをえなかったが、それでも日本とイギリス、フランスでおこなった調査データの分析を進めることができた。また、海外の共同研究者の協力で、フランスやブラジルの大都市との比較研究を具体的に進めることができた。とくに研究課題であった富裕層の貧困観の分析だけではなく、大都市の中でセグリゲートされた貧困地域における社会的紐帯のあり方について、3カ国の調査データを用いて国際比較が可能となったことは、研究をさらに発展させる可能性が開け、大きな意義があった。
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