2016 Fiscal Year Annual Research Report
Basic Research on Resilient Supporting Networks for Pregnant Women and Nursing Mothers against Underpopulation and Disaster
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25380689
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
田間 泰子 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (00222125)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 妊産婦 / 災害 / 支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である平成28年度には、①平成27年度に行った妊産婦用防災ガイドブック評価を活かしてガイドブック(案)を作成し、宮城県石巻市でNPO法人ベビースマイル石巻の協力により妊産婦に対して数回試行した。それをもとに電子ファイル版(案)を作成した。②妊婦を含む防災における多様性の配慮のため、文献研究を行い、「自然災害と人々の多様性の尊重」を共著『教育福祉学の挑戦』(せせらぎ出版)に収録し出版した。③平成27年度に「東日本大震災研究交流会」で行った報告(『第2回東日本大震災研究交流会報告書』として平成28年度に刊行)を英訳し、申請者のホームページ(http://www.tama-seminar.jp/)にアップロードした。 以上の今年度の成果、および平成25年度から27年度の研究成果(奈良県十津川村調査、岩手県花巻市調査、宮城県石巻調査、および文献調査)を通じて、以下の結論を得た。防災/減災教育を不可欠の要素とする平時の妊産婦支援ネットワークの形成を早急に、市民組織の活動と自治体行政の全庁的連携支援のもとで行うことの必要性が確認された。今後、その取組を行う際には、阪神・淡路大震災や東日本大震災後に調査で明らかにされた妊産婦特有のニーズを重要な柱として充足できるよう設計すること、そして原則として自助が肝要であることから妊産婦自身のエンパワメントをこれと並行して目的とする防災/減災教育を実現すること、以上の2点が必須の課題である。 なお、避難先として遠隔地に母子避難所を開設することについて、家族から離れて避難する妊産婦の心理的なストレスへのケアが必要であることが分かった。開設者の受入準備体制においてこれを考慮すべきである。また、過疎地における妊産婦支援ネットワークは、平時の当事者同士による構築が非常に困難であり、これを克服することは今後の検討課題となる。
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Research Products
(2 results)