2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25380707
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
塚田 守 椙山女学園大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (80217273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 裕子 愛知医科大学, 看護学部, 准教授 (10351149)
福良 薫 北海道工業大学, 医療工学部, 准教授 (30299713)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 看護の語り / 病いの語り / ライフストーリー |
Research Abstract |
平成25年度は、「看護ケア」に関する文献研究を中心に研究を行った。研究代表者の塚田守は、「看護ケア」に関する社会学研究に関する先行研究を行い、看護学とは異なる看護ケアにおける「語り」の役割について整理する作業を行った。その中で、『傷ついた物語の語り手』の著者であるアーサー・フランク教授の看護ケアにおける語りの意義に関して、「日本オーラル・ヒストリー学会」でのシンポジウムと慶應義塾大学の集中講義(7月26日~8月1日)に参加し、患者が語ることの社会学的意義についての理論的考察を整理した。また、『病いの語り』の著者であるアーサー・クラインマン教授の京都大学での講演に3月15日に出席し、アメリカのおける病いの語りに関する最先端的議論を聞き、整理した。病いの語りに関する2人の最先端の理論的整理を行うことで、来年度の研究枠組みが明確になった。また、研究分担者の佐々木裕子は文献研究以外に看護の現場における語りの意義に関する事例研究を展開し、患者に関わる看護師の語りの重要性についての研究論文を出版した。さらに、共同研究を展開するために、2013年7月29日と2014年3月14日に研究会を開き、先行研究に関する議論を行い、今後の展開を考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおりに文献研究を中心に行ってきたが、研究代表者塚田と両分担研究者が「日本オーラル・ヒストリー学会」のフランク教授の記念講演に同時に参加できたことにより、病いの語りに関する理論の共通理解が得られた。また、塚田と佐々木がその後の集中講義にも4日間参加でき、フランク教授と密にディスカッションする機会を得ることができた。当初の計画では、塚田だけがカナダに在住するフランク教授を訪ね、研究に関する聞き取り調査をする予定であったが、研究分担者との同一の理論的理解ができたことは今後の研究にとって意義が大きかった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度には社会学的理論研究の整理はある程度行われたが、看護研究における語りの意義に関する包括的な整理は十分には行うことができなかったので、研究分担者の看護学研究に関する文献研究をもとに、看護研究における語りの意義と理論的重要性について、今後展開する予定である。また、本年度は、文献研究を中心に進めてきたので、当初計画していた看護師等に対するインタビュー調査、フィールド調査については実質的に発表できるまでには実施できなかった。今後は、当初の予定通り、研究参加者がそれぞれ、インタビュー調査、フィールド調査を行い、学会あるいは研究会での発表を行い、その発表を展開させ、論文としてまとめる予定である。2014年には、国際社会学会が横浜で7月13日から7月19日に開催されるので、研究代表者の塚田は、RC38のセッション・オーガナイザーとして参加し、インタビュー調査に関しての理論・方法論的議論の世界学会レベルでの理解を深め、本研究の展開のヒントとする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画では、研究代表者の塚田がカナダに海外出張を予定していたが、出張で会う予定でいたフランク教授が来日したことで、海外出張をしなくてよくなり、その経費が減額された。また、研究分担者の佐々木裕子がマギール大学(カナダ)への海外出張を予定していたが、マギール大学側の事情により、海外出張ができなくなったため、その出張費が使われなかった。 昨年度の海外出張予定が実行されなかったことによる出張経費は、研究代表者の塚田、研究分担者の佐々木がそれぞれが本年度の内外の出張経費として使用する予定である。
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