2013 Fiscal Year Research-status Report
農村社会の持続的発展と村落自治―ジャワ農村の地方分権化と村落行政組織再編の研究―
Project/Area Number |
25380708
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
黒柳 晴夫 椙山女学園大学, 文化情報学部, 教授 (80097691)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インドネシア・ジャワ農村 / 地方分権化 / 村落行政組織 / 村落自治 / 住民自治 / 民主化 / 民主化の後退 |
Research Abstract |
インドネシアでは、1998年にスハルトの権威主義体制が終焉を告げ、その結果スハルト体制下で制定された中央集権的な「1979年村落行政法」が廃止され、それに代わって民主的な地方分権化を目指した「1999年地方行政法」が制定された。これによって、インドネシアは21世紀の始まりとともにスハルト時代には全く耳にすることがなかった地方自治、地方分権化、エンパワーメント、説明責任、公開性などの用語が普通に使われるようになり、内外の研究者による地方分権化に関する研究が堰を切ったように始まった。ところが、2001年から「1999年地方行政法」が施行されると、その地方自治制度改革が充分な準備期間と準備の過程を経ないまま一気に進められたために、研究対象にしている村落社会について言えば、新制度を理解する民意の成熟が不十分であったことに加えて、本来の制度設計では予期できなかったような村議会と村長の対立とそれによる村政のストップなどが発生する事例も現れた。そのために、いわゆる行き過ぎた民主化が問われるようになり、「1999年地方行政法」は制定後わずか3年9か月で改正されることになった。それにかわって2004年に「2004年地方行政法」が制定され、村落社会でいえば住民の直接選挙による村議会が廃止され、住民の話し合いによって選ばれた議員よる村落協議会が設置されることになった。そこで、本年度の研究では、第一の課題として「1979年村落行政法」、「1999年地方行政法」それと「2004年地方行政法」に定められた村落行政制度の比較検討をしてその制度的変遷の過程と問題点を明らかにすることに努めた。また、第二の課題としてジョクジャカルタ州内農村部とジャカルタ市内周辺部で上記の制度の変遷とともに住民自治がどのように変化してきたかを明らかにするための実態調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1960年代以降のインドネシアの地方自治制度は、スハルト体制下の中央集権的な「1979年村落行政法」の地方自治制度、スハルト体制崩壊後の民主化された「1999年地方行政法」の地方自治制度、そして現在の部分的に民主化が後退した「2004年地方行政法」の地方自治制度と再編の過程をたどってきたが、その過程において村落社会ではそれぞれどのような村落自治制度が定められてきたのかを、制度として比較検討できた。そして、その村落自治制度の枠組みに基づいてジョクジャカルタ州内農村部とジャカルタ市内周辺部で村協議会などの住民自治の変遷に関する実態調査ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究によって、国の地方行政制度の改革に伴う村落自治制度について、その改正に即してそれぞれの制度の基本的枠組みや改正点について明らかにできたので、今後は当初の計画通り、ジョクジャカルタ州内農村部とジャカルタ市内周辺部で村落や地域社会における住民自治の実態を調査して、国の地方自治制度の改革によって村落や地域社会のレベルで住民自治の再編過程がどのように進められてきたのかを明らかにする。現地調査の実施に当たっては、引き続いてインドネシア科学院(LIPI)人口研究センターとガジャマダ大学人口政策研究センターの協力を得て進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現地調査旅費が当初の計画より多く支出する必要が生じ、ノートパソコンの購入を取りやめその予算を旅費に回したためで、それに伴って生じた差額は26年度のノートパソコン購入費に充てるために保留した。 25年度に旅費に充当したため購入できなかったノートパソコンを、26年度は前年度の未使用額に旅費予算の一部を回して購入する。
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