2014 Fiscal Year Research-status Report
19~20世紀初頭におけるアイルランドの人口と家族構造の総合的研究
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25380722
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Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
清水 由文 桃山学院大学, 社会学部, 教授 (40132352)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アイルランド / センサスデータ / リンケージデータ / GIS / 直系家族 |
Outline of Annual Research Achievements |
アイルランドにおけるセンサスの1901年と1911年の100%データベースおよび残存している1821年、1841年、1851年のデータベースを完成させることができた。これらのデータベースはいまだ世界で作成されていないデータベースであり、しかも、アイルランドで現在、残存し、公開されているセンサスの最初の全データーベース化である。 1901年と1911年センサスに関して、その集計と分析を終了させることができた。とくに、1901年と1911年のデータをリンケージ手法を用いて、アントリム州、クレア州、メイヨー州、ミーズ州の4州のリンケージデータを作成することができた。これらのデータベースにもとづいて、すべての州のリンケージデータを作成可能であるが、研究代表者のPCでは不可能であり、「京」などのスーパーコンピュータが必要になり、現時点では予算的に不可能である。 さらに、1911年データを基礎として、地理情報システム(GIS、Geographic information systems)を利用して、州単位の地図を50程度作成した。とくに平均世帯主年齢、平均世帯規模、平均子供数、世帯構成などの地図は、世界で最初に作成された地図である。 それらの作成したデータにもとづいて、2014年11月、カナダ、トロントで開催されたSocial Science History学会で、アイルランドの世帯構造の報告した。それに対して、フランスで家族史の権威ある研究者から直接良い評価がなされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
すでにアイルランドの1821年、1841年、1851年、1901年、1911年のセンサス個票からのデータベースをすべて作成することができた。このデータベースが世界で最初のデータである。また、新しいリンケージ手法、GIS技法を使用して、これまで作成されていないデータや地図を作成することもできた。さらに、それにもとづいて、アイルランドの西部と東部の地域的ヴァリエーションを明確にするすることができたことも成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
1821年、1841年、1851年のデータによる集計および分析が今年度の課題である。その作業により、1821年から1911年の家族変動を捉えることができる。そして、それを次年度の学術図書の申請をし、研究成果を公開する予定である。 しかし最初に計画したイギリスにおけるアイルランド移民を明らかにするためのデータである、グレート・ブリテンの1851~1911年までのセンサスデータがいまだ入手できていない。今エセックス大学、アーカイブ部門と交渉しているが、現時点では各変数のサンプルデータは入手可能であるが、全データの入手が不可能な段階である。今後も交渉していく予定であるが、かなり困難な作業になることが予想される。
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Causes of Carryover |
前倒し請求額の40万円のうち194円残ったのが原因である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度旅費に含めて使用する予定である。
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