2014 Fiscal Year Research-status Report
日本における家族の変容に関する多角的実証研究―「環調査的分析」の試み
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25380731
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Research Institution | National Institute of Population and Social Security Research |
Principal Investigator |
釜野 さおり 国立社会保障・人口問題研究所, 人口動向研究部, 第2室長 (20270415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千年 よしみ 国立社会保障・人口問題研究所, 国際関係部, 第1室長 (00344242)
小山 泰代 国立社会保障・人口問題研究所, 人口構造研究部, 第3室長 (70415826)
山内 昌和 国立社会保障・人口問題研究所, 人口構造研究部, 第1室長 (90415828)
布施 香奈 国立社会保障・人口問題研究所, 人口構造研究部, 研究員 (10713480)
野口 晴子 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (90329318)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 社会学 / 家族社会学 / 質問文と選択肢 / 調査間比較 / 項目データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、家族に関する既存の調査データを活用した研究促進に貢献すべく、調査項目等のデータベースを構築し、それを用いて異なる調査間で比較検討できる分析を行うことである。データ資源活用の土台を構築し、複数のデータセットを用いた分析(「環調査的分析」)を通して、家族についての知見を深め、新たな分析軸の創出を目指す。この目的に向けた研究実施計画には(1)家族に関する量的調査の項目の整理とデータベースの構築、(2)先行研究の系統的レビュー、(3)「環調査的分析」が可能なトピックの抽出と分析、(4)調査項目についてのヒアリング、(5)家族研究についての総合的考察が含まれる。 平成26年度は、まず(1)について、国立社会保障・人口問題研究所によって実施している調査ならびに東京大学社会科学研究所のデータアーカイブに登録されているデータから、家族に関する項目を含む調査のうち、原則として無作為抽出の全国調査(約60件、異なる年次を含む)をサーベイし、テーマごとに項目を整理したデータベースを構築した。(2)については次年度のレビューに向け、夫婦の家事分担、世代間関係等に関する文献を収集した。(3)については、家事時間、育児時間、家事分担、育児分担、夫婦の決定権、伴侶性、満足感、家族に関する意識、家族の範囲など、「環調査的分析」が可能なトピックを取り出した。「環調査的分析」の準備として、家族の範囲、世代間関係、子どもの性別選好について、単一のデータを用いた分析を行い、学会等で報告した。世代間関係については、プロジェクト外の専門家を招聘し、いくつかの異なるデータで行った分析結果についての研究会を実施した。また、各種調査ではそれほど多く扱われていない「家族の範囲」をたずねる項目を含めた調査をにウェブ上で実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)家族に関する量的調査の項目の整理とデータベースの構築はほぼ完成している。(2)先行研究の系統的レビューは昨年度から積み重ねてきている。(3)「環調査的分析」が可能なトピックの抽出と分析については、抽出がおおむね終わり、次年度の分析の準備を進めている。(4)調査項目についてのヒアリングは次年度前半に行うべく、準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)家族に関する量的調査の項目の整理とデータベースの構築はほぼ完成しており、次年度中にウェブ上での公開をめざしている。(2)未着手のテーマについて、先行研究の系統的レビューを進める。(3)平成26年度の研究過程で抽出した「環調査的分析」が可能なトピックについて、実際にデータ集計・分析を行い、比較検討する。集計・分析結果をワーキング・ペーパー等にまとめ、成果の発信に努める。(4)調査項目についてのヒアリングでは、同一テーマについて複数のたずね方をし、調査を受ける側の意見を収集する。(5)最後に「環調査的分析」の経験をもとに、家族に関する調査に関しての考察を行う。
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Causes of Carryover |
平成26年度に実施を予定していた、調査項目に関するヒアリングを平成27年度に行うことにしたため、それを可能とするように一部の研究費を平成27年度に持ち越すこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に、調査項目のヒアリング費用、データベース整備ならびにデータ集計の謝金、研究成果公表のための旅費、研究資料の購入等に充てる計画である。
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Research Products
(4 results)