2015 Fiscal Year Research-status Report
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25380732
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
太田 美緒 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (80643270)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 介護選択 / 愛情 / 扶養義務感 / 世間体 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に実施した介護選択(親の介護が必要になった時、自宅介護、施設介護のいづれを選択するか)に関するパネル調査の分析を行い、その成果を学会で発表すると共に、論文執筆の作業を行った。また、質問紙調査実施後、個別に面接調査を実施した。 2000-2001年に実施した前回調査では、東京近郊の2地区(新興住宅地区、農村地区)に在住する30代女性を対象として、介護選択の要因分析を行った。この結果を受け、同様の介護選択を尋ねるパネル調査を実施したが、主な目的は今回の調査時点で44~54歳となり、介護問題が身近な課題となった対象者の回答を前回の調査結果と比較し、その差異を分析すること、および2地区の比較分析をすることである。 具体的には、14年前の前回同様、郵送法による質問紙調査を実施し、その結果を前回の調査結果と比較分析し、差異が生じた場合はその要因の分析も行った。さらに、協力に同意した対象者に面接調査を実施し、質問紙調査では充分に分析できない事柄(親子関係の背後にある状況、愛情や扶養義務感の変化等)について面接し、その内容を分析する。質問紙調査と面接調査の両方の調査を実施することにより、より精度の高い分析を目指す。 当該年度において質問紙調査を実施したが、追跡調査云え、14年間に転出した対象者も多く、また回答率も低く、前回調査で用いたロジスティック回帰分析をするには充分な回答者数を得られなかった。従ってその代わりに、前回調査において介護選択の要として指摘された愛情、扶養義務感の14年間における変化、2地区の差異に焦点を定め、分析することに努めた。 また、混合研究法を用いることにより、質的、量的研究の相互を補うより深みのある分析を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の調査・研究期間である平成25-27年度において、14年前に実施した介護選択に関する質問紙調査の回答者を追跡し、予定どおり質問紙調査および面接調査の両調査を実施した。 27年度中に質問紙調査の分析作業は終了し、その結果を27年度の老年社会科学学会にて発表した。さらに、同学会誌に論文の投稿をしたところである。 予定より遅れているのは、面接調査の結果をまとめる作業である、介護をテーマにしたプライバシーに関わるデリケートな問題であり、介護に対する姿勢や思いを尋ねる長時間に渡るインタビューであるため、予想していた以上に細かな神経を使い、丁寧な分析をする必要があり、時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度中に面接調査の分析・まとめを仕上げるべく、早急に大まかなまとめをする作業を行い、その後詳細な分析を行い、仕上げる作業を進める。 また、質問紙調査の分析は既に終わっているが、インタビューの結果と照らし合わせ、双方が補完し合い、より深い分析を行うためにも、別途GLMによる新たな量的分析作業を行なうと共に、混合研究法を用いた分析も行う予定である。
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Causes of Carryover |
本調査は、質問紙調査の後に面接調査をする形で進めているが、質問紙調査の分析、およびその成果をまとめた論文作成に時間を要し、当初の予定をオーバーした。従って、面接調査の分析作業は進んでおらず、未だ準備段階である。また、面接調査の分析を進める中で、追加の面接調査を実施する可能性が高く、その場合は謝金、およびテープ起こしの費用が必要となる。 また、より精度の高い質問紙調査の分析を試みることから、次年度においてGLMを用いた分析を試みる予定でいる。そのために、パソコンや分析用のソフトを購入する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
面接調査の分析を早急に着手し、まとめる作業にとりかかる。同時に、混合研究法による分析やGLMを用いた分析を行い、なるべく論文化できるよう務める。
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