2017 Fiscal Year Annual Research Report
The longitudinal study on lives of children with developmental disabilities in the after-school time.
Project/Area Number |
25380753
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
西村 いづみ 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 講師 (90405522)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 発達障害 / 学齢期 / 放課後生活 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成23年度から,発達障害者支援法の定義にもとづく発達障害のある学齢期の子どもの母親に対し,子どもの放課後における生活に関するインタビュー調査を年1回の頻度で実施してきた.最終年度にあたる平成29年度は,調査期間を通して放課後生活がどのように変化したのか,そして,利用してきた放課後活動について,子ども・母親にとっての意味を明らかにするためインタビュー・データの分析を行った.その結果,子どもの成長・発達に伴い,子どもは放課後の生活時間を自分で調整する可能性が増え,また,学校を中心とした特定の人間関係が構築され,その関係を重視していくことが改めて示された.母親は,子どもの言動の変化や考えの表明を受け,スキルの習得など放課後活動そのものが目指す事柄よりも,子どもの理解者を求めていること,母親自身が障害に理解ある人や療育の専門家につながっていたいとする気持ちに気づき,放課後活動継続の必要性を検討することが示唆された. また,調査期間中,放課後等デイサービス事業が創設・施行され,調査協力者の居住地域においても,放課後等デイサービス事業所が増えていった.このような障害児に利用を限定した放課後活動の登場は,母親が我が子の「障害」を意識し,発達障害のある子どもは放課後をどう過ごすのがよいのか考えがゆらぐきっかけになることがインタビュー分析を通し明らかになった.子どもが,将来,直接的に子どもの生きづらさを理解し軽減に向けて積極的に働きかけてくれる人・集団につながる仕組みが用意されていれば,母親は子どもの最善の利益を最優先しながら,放課後活動を選択し,やがて,社会に子どもを託すことが可能となると考えられた.本研究成果は学会発表および学術誌への投稿を行うとともに,調査協力者へ個別に報告というかたちで還元した.
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