2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25380758
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
鈴木 孝典 高知県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (20363856)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 精神障害者 / グループホーム / アセスメント / モニタリング / 指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、精神障害者グループホーム(以下、“GH”と省略)入居者の生活機能に係るアセスメント・データ及びモニタリング・データを収集するために、「GH評価支援ツール」の普及に係るフィールド・スタディを実施した。あわせて、「GH評価支援ツール」を運用中のGHよりモニタリング・データを収集した。 具体的には、東京都、神奈川県、千葉県、鳥取県に所在するGH事業者に対して「GH評価支援ツール」に関するワークショップを実施した。また、既に当該ツールを運用しているGHより、入居者50名分のモニタリング・データを継続的に収集し、「GH選択指標(試案)の作成に向けた統計解析を実施した。 その結果、①通過型GHと滞在型GHでは「日常生活」と「セルフケア」に係る機能の評価点の平均に統計的な有意差があること、②GHでの入居年数が長くなると「日常生活」、「セルフケア」、「対人関係」に係る機能の評価点が低くなること、③施設における支援者の構成(支援者の実務経験、資格の有無など)によって評価点の平均に統計的な有意差が生じること、④入居者の年齢が高くなると「対人関係」に係る評価点が低くなること、という4点を傾向としてとらえた。 このことから、GHの体系とGH利用者の居住支援に係るニーズのマッチングに係る「GH選択指標(試案)」の構成要素として、①GHの機能的類型、②利用者の「日常生活」、「セルフケア」、「対人関係」に係る機能の評価指標、③入居者の年齢、④支援者の属性、という4点が抽出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
障害者総合支援法の施行に伴う障害者グループホームの制度変更により、GH支援者の評価や事務に係る業務量が増大しており、データ収集やフィールド・スタディのための協力を得られにくい状況が続いており、結果として「GH選択指標」の試案作成まで至らなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年6月末までに得られたモニタリング・データとそれ以前のモニタリング・データの統計的な比較を行う。その結果及び平成26年度の研究成果を用いて「GH選択指標(第1案)」を作成し、現に「GH評価支援ツール」を運用しているGHにおいて、当該指標(第1案)のフィールド・テストを7月から8月にかけて実施する。 そこで得られた数量データからGH選択指標(第1案)の信頼性と妥当性について統計的に検討し、当該指標(第2案)を作成する。その上で、GH選択指標案に係るフィールド・テストを重ねて、指標の信頼性と妥当性を高めるとともに、支援場面における指標の機能性、利便性、応用可能性について、GHにおける質的なフィールドワークによって検討する。
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Causes of Carryover |
概ね当初計画どおりに研究費を使用したが、「GH評価指標(案)」の作成が遅れているために、当該指標(案)のフィールド・スタディに係る事務的経費が支出できなかったため、わずかではあるが次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2014年6月末までに「GH選択指標(第1案)」を作成し、そのフィールド・スタディのための事務的経費(郵送料など)に充てる。
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Remarks |
「グループホーム評価支援ツール」は、調査への協力を前提に、ツールの利用を希望するグループホームの運営事業者にIDとパスワードを発行している。
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