2016 Fiscal Year Annual Research Report
Substantial Study on Social Innovation by Independent Certified Social Workers
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25380760
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Research Institution | Hirosaki Gakuin University |
Principal Investigator |
小川 幸裕 弘前学院大学, 社会福祉学部, 准教授 (90341685)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 独立型社会福祉士 / ソーシャル・イノベーション / ソーシャルアクション / 関係者との課題共有 / ステイクホルダーとの協働 / 職能団体の活用 / アイデンティティの確立 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度に行ったアンケート調査で整理した独立型社会福祉士におけるソーシャル・イノベーションの実態を踏まえ、社会変革に関する活動を具体化するソーシャルワークの社会福祉援助技術に位置づけられるソーシャル・アクションの視点からデータの分析を行った。結果、ソーシャル・イノベーションの実現に向けたソーシャルアクションの展開には、①収益事業とソーシャルワーク実践の統合、②研修体制の整備、③職能団体(社会福祉士会)の活用が必要であることが示唆された。 平成26年から平成27年にかけて実施したインタビュー調査からソーシャル・イノベーションを志向した実践プロセスの抽出を行った。結果、ソーシャル・イノベーションの実践プロセスとして、①地域課題の発見、②関係者との課題共有、③ステイクホルダーとの協働、④地域社会の支持、⑤新たな仕組みづくり、⑥新たな価値提案の6つの概念と一連のプロセスを抽出することができた。また、ソーシャル・イノベーションを可能とする要因として「関係者との課題共有」「ステイクホルダーとの協働」「地域社会の支持」を抽出した。また、独立型社会福祉士の活動志向に着目し、日本社会福祉士会独立型社会福祉士名簿に登録している者74名を対象に活動の類型化を行った。結果、独立型社会福祉士の活動志向を「ケースアドボカシ一志向型」「地域貢献志向型」「ビジネス志向型」「社会変革志向型」の4つに分類することができた。多様な活動志向によって既存の制度やサービスでは対応が困難な課題への対応を可能としていたが、「得意な分野」「個人的に問題意識が高い社会的課題」「報酬や社会的認知が得やすい事業」などの特定の活動への固定化もみられた。社会変革志向への移行と定着に向けて、①ソーシャルワーカーとしてのアイデンティティ確立、②経済的基盤の安定、③職能団体(社会福祉士会)の活用の必要性が示唆された。
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Research Products
(9 results)