2015 Fiscal Year Annual Research Report
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25380771
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
宮本 悟 中央大学, 経済学部, 教授 (70352846)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | フランス / 社会保障 / 社会手当 / 家庭内保育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、フランス認定保育ママ制度に関する国民的評価の検討を中心に研究を進め、総括を行うことを課題とした。2015年9月9日~9月15日に行った現地調査により、保育ママ制度の歴史・現状・課題に関する資料を収集すること、家族団体全国連合(UNAF)研究者や里親・保育ママ団体全国同盟(UFNAFAAM)幹部にインタビュー調査を実施すること、などができた。収集資料・調査結果から得られた主要な知見は、下記のとおりである。 (1)認定保育ママ制度にたいする利用者の評判は、良好な状態が続いている。例えば、調査研究政策評価統計局(DREES)が2013年に行った保育方法に関する実態調査によれば、平日における3歳未満児の保育方法としては、家庭外の保育サービスを一切利用せずもっぱら親のみで保育を行うケース(33%)に次いで、主要な保育方法として認定保育ママを利用しつつ親が補助的な役割を担うケース(18%)が多い、という実態が明らかにされている。 (2)認定保育ママ制度の問題点として、マンパワー供給サイドの課題が注目されている。具体的には、①認定保育ママの配置に関する地域的偏在の是正、②認定保育ママの劣悪な労働環境(とりわけ、保育所に勤務する保育士との処遇格差)の改善、などが指摘されている。 本年度の研究成果については、宮本悟編著『フランス―経済・社会・文化の実相』(中央大学出版部、2016年秋刊行予定)にて公表する。
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