2013 Fiscal Year Research-status Report
東アジアの地域文化に即した地域包括ケア人材育成の方法論に関する日中比較研究
Project/Area Number |
25380779
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
沈 潔 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (20305808)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / 国際研究者交流 / 国際会議発表 / インタビュー調査 / 地域包括ケア / 東アジア地域文化 |
Research Abstract |
平成25年度においては、下記の研究活動を行ってきた。 1)「中国で活用できる日本の高齢者ケア政策」と題したワークショップの開催(日時:2013年6月25日 開催場所:日本女子大学)具体的には,中国から北京師範大学、清華大学の学者及び社会福祉施設の経営者など10数名の学者・実務家の協力を得ながら、日本国内からも厚生労働省、関東学院大学、済生会など4名の専門家、実務家の参加を加え,日本の地域包括ケア人材育成の考え方やノウハウを中国へ適応できないかについて議論を行った。 2)日本と中国における地域包括ケアを支える人材育成に関する既存データ及び文献の収集と分析を行った。具体的に①2013年4月に中国側の研究協力者によって開催された介護人材育成研修会に参加し,日本の介護人材教育の実態及び教材の特徴について紹介した。また,参加者の数人にインタビュー調査も行った。②2013年8月末から9月上旬にかけて、中国の介護人材及び家事援助人材の育成に先駆的に取り組んでいた上海・杭州・蘭州という地域で現地調査を行った。その上、日本の経験と中国の取り組みを比較しながら、本研究の理論的な枠組をデザインした。 3)研究成果を発信した。① JICAや北京師範大学・清華大学などによって主催した国際会議及び講習会での講演と研究発表は5回ある。② 雑誌の「週刊社会保障」「社会保障研究(中国語)」などに掲載された学術論文は3編ある。③共著した著作は3編ある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に予定された研究課題は、研究課題に関する政策や実践事例、方法論のデータ収集と文献の比較研究である。この目標はある程度達成できた。しかし,丹念にデータ文献を比較分析することは,十分に行うことができなかったと思われる。継続課題として引き続き努力したい。 一方,平成26年度に予定された日中両国の研究者及び実務者を囲むワークショップの開催が,中国側の研究協力者の努力によって実現できた。平成26年度においても,継続課題として,このようなワークショップを実施したい。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度には、地域包括ケア人材育成の方法論の構築の課題に基づいて、当事者・関係者との連携を取りながら様々なワークショップ、レクチャーを行い、東アジアの地域文化に適合する方法論の構築に関する理論的、実践的課題を解明する。さらに,方法論を共有化するアプローチを検討する。 具体的には, ①中国へ進出した日本の介護事業者の日医学館やベネッセグループに対してインタビュー調査を行い,日本介護教育の方法論の応用性について,その理論的,実践的課題を明確にする。 ②中国現地で活用されている日本介護教育の応用状況などを調べ,教育方法及び教材における実践的課題を明示する。 ③東アジア社会に適合する方法論を共有化するアプローチを検討する
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に使用額が生じた主な理由は、下記の通りである。 ① 26年度においては、日本国内及び中国(台湾と香港を含む)での現地調査に力を入れたいということで、今年度の研究費を次年度の国際旅費として使用する予定である。 主に日本国内や海外で行うインタビュー調査及びワークショップの開催に使用する。
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