2016 Fiscal Year Research-status Report
医療ソーシャルワーカーの業務継続中断を規定する個人と環境との相互作用に関する研究
Project/Area Number |
25380785
|
Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
保正 友子 立正大学, 社会福祉学部, 教授 (80299859)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 明伸 立教大学, コミュニティ福祉学部, 准教授 (40438106)
楢木 博之 身延山大学, 仏教学部, 准教授(移行) (40552245)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 医療ソーシャルワーカー / 業務継続中断 / 環境因子 / 個人因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、以下の2点の取り組みを行った。①医療ソーシャルワーカーの業務継続意向の関連要因、業務継続中断意向の背景要因、業務継続中断を思いとどまる理由について、アンケート調査結果に基づいた分析、②業務継続中断を行った人へのインタビュー調査のKJ法による分析。 ①については、業務継続意向の関連要因を明らかにすることを目的として、多項ロジスティック回帰分析により342名のデータを分析した。その結果、「現在のまま医療ソーシャルワーク業務を続けたい」との業務継続意向には、「ワーク・エンゲイジメント」が強く作用し、これに加えて「業務環境の良し悪し」も関連要因になることを析出できた。また、「医療ソーシャルワーク業務は続けたいが他の病院に移りたい」との意向には、個人因子の「ワーク・エンゲイジメント」が強く作用し、これに環境因子である「上司の配慮・誠実さ」の欠落が関連要因となることが析出された。この論文については、査読誌に受理され印刷中である。業務継続中断意向の背景要因、業務継続中断を思いとどまる理由については分析を継続中であり、平成29年度中に学会誌に投稿予定である。 ②については、業務継続中断を行った7名のデータに基づき、KJ法により統合を行った。その結果、「プロとしての未成熟」「現状からの脱却願望」「過重業務」「同僚への疲弊」「後輩の成長の妨げ」「相談相手の不在」という6つの島に統合された。この結果については、平成29年度の日本医療社会福祉協会全国学会で口頭発表するとともに、論文を執筆し投稿する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、医療ソーシャルワーカーの業務継続中断に関して、2県の医療ソーシャルワーカー協会会員を対象とした量的調査と質的調査を行い、その結果を公表することが目的である。 調査は全て終了し分析を行っているが、多角的な分析のため、当初予定よりもやや時間を有している。そのため、学会における発表や論文執筆が次年度の課題として残されている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、2つの調査結果について社会に公表していく。 まずアンケート調査に基づく量的分析結果のうち、業務継続中断意向の背景要因、業務継続中断を思いとどまる理由については、論文執筆を行い学会誌に投稿予定である。 次に、質的調査に基づくKJ法による統合については、6月に開催される日本医療社会福祉協会全国学会で報告するとともに、論文を執筆し学会誌に投稿する予定である。
|
Causes of Carryover |
本来であれば平成28年度中に終了予定だった、量的調査・質的調査データの分析に時間がかかったため、平成29年度も引き続き分析をしながらその結果を論文にまとめる作業を行うことになった。 そのため、それらに必要な経費を平成29年度に持ち越した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
主として学会での発表と、論文の投稿に必要な経費として使用する予定である。6月に北海道で行われる日本医療社会福祉協会全国大会で口頭発表を行うほか、複数の学会誌への論文投稿を予定している。
|