2015 Fiscal Year Annual Research Report
ひきこもる若者が実践主体となる支援の哲学・方法・制度の研究
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25380803
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山本 耕平 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (40368171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 勉 佛教大学, 社会福祉学部, 教授 (20162969)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 若者支援 / ひきこもり支援 / 支援哲学 / 協同実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、第一に、現在中国で深刻になっている留守家庭児童の発達上の課題と保護について検討を加えた。これは、若者問題を貧困や差別等の社会的要因の関わりで分析するなかでも若者問題が深刻化してきた1970年代以降の競争主義に視点をあてる時、中国のその課題と貧困、差別との関わりを分析することに意味をみた為である。 第二に、今年度の中心課題として、ひきこもりのピアスタッフを対象とする応用実践力講座を実施し、そこでピアスタッフが有する実践上のストレスとコーピング力をエビデンスが明らかとなっているチェックに基づき分析することとした。この研究は、ピアスタッフがプロスタッフと共に実践を展開する関係性を築く為には、過度なストレスが生じるが、そこに、各々が共に育ちあう実践が存在することにより、そのストレスやバーンアウトは予防されるとの仮説し実施した。 「ピアスタッフ応用実践力講座」には、全国各地でピアスタッフが相互に育ちあう先駆的な実践をおこなっている組織からピアスタッフを抽出し参加を得た。実践に関する講座への参加と実践事例検討をその講座の内容とし、口座の開始前と終了時に、参加者(ピア・プロともに)を対象とした日本語版バーンアウト尺度およびコーピングチェックを実施した。 結果、仮に設定した「場」である講座や事例検討参加を通し、ひきこもる若者が実践主体となる実践には、「自分がある」集団が不可欠であり、個人を一方的に適応させる「集団」ではなく、仲間の存在に無関心であり無視する「集団」ではない集団的を実践体が追及する必要があると考察した。ピアスタッフ・プロスタッフ全てが共通の利益を得る集団を追求するなかで実践力を高め実践上でのバーンアウトを予防することが可能となると考えられる。また、「支援―被支援」の関係性を克服するその集団は、実践内での相互が相談する機会を増やしコーピング力を高める要素となると考えた。
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Research Products
(6 results)