2013 Fiscal Year Research-status Report
地域生活定着支援事業の現状と課題:ソーシャルファームの可能性と地域社会の理解
Project/Area Number |
25380807
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
浜井 浩一 龍谷大学, 法務研究科, 教授 (60373106)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 地域生活定着支援センター / 司法と福祉の連携 / 触法障害者 / 高齢者 / 就労支援 / イタリア / ソーシャルファーム |
Research Abstract |
平成25年度は、全国地域生活定着支援センター協議会(全定協)と協力して、長崎、福島、高知などの地域生活定着支援センター(定着センター)を訪問して、各定着が抱える問題点について聞き取り調査を実施した。特に、全定協の事務所のある長崎の定着センターでは、共同で、全国の定着センターに対して質問紙調査を実施することとし、質問紙の作成の検討作業を行った。また、長崎の定着センターの母体である社会福祉法人南高愛隣会が運営する触法障害者に対する訓練センター及び更生保護施設を訪問するとともに、そこと連携している長崎刑務所を訪問して、聞き取り調査を実施した。 加えてに、トリノにある国連犯罪司法研究所の協力を得てピエモンテ州における社会協同組合を調査し、アレッサンドロ刑務所のパン工場とベルバニア刑務所のクッキー工場を訪問し、受刑者雇用の実態やビジネスモデルについての聞き取り調査を行った。 また、平成25年10月5日に北海学園大学で行われた第40回犯罪社会学会年次大会において、研究代表者である浜井が『イタリア犯罪学の再発見』と題したテーマセッションを企画し、隔離から地域での自立支援を目指したイタリアにおける犯罪者処遇を紹介するとともに、その土台となっているイタリア犯罪学の思想的背景について検討した。 さらに、平成26年1月22日には、研究代表者である浜井が、全定協が主催する第4回全国スキルアップ研修(幕張)において、法務省、厚生労働省、日本弁護士連合会及び長崎定着センターからそれぞれ担当者を招いたパネルディスカッション『司法と福祉の新たな連携構築を目指して』のコーディネーターを担当し、被疑者・被告人段階における触法障がい者の支援のあるべき姿について議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
長崎の地域生活定着支援センターを中心に福島、高知等の定着センターに対する聞き取り調査が順調に進んでいる。また、平成26年度実施予定の全国の地域生活定着支援センターに対する質問紙調査についても、調査票の作成が順調に進んでいる。さらに、イタリアにおける社会協同組合(ソーシャルファーム)の調査が予定よりも順調に進むとともに、当初研究計画にはなかった本研究テーマに関係する複数の全国レベルでのシンポジウム等への参画が進むなど、研究と実務の架橋の実践において成果が上がりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、予定通り、全国の地域生活定着支援センターに対する質問紙調査を実施し、その結果を集計・分析する。そして、その成果を全国レベルでのシンポジウムや各地の定着センターで実施されるセミナー等で公表するとともに、実務担当者と問題意識を共有し、彼らとともに調査で浮かび上がってきた課題に対する解決策を検討する。同時に、イタリアノルウェーを中心に海外におけるソーシャルファームや罪を犯した人の社会復帰を支援する世論形成の在り方について研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
機種選定に迷い当初予定していたタブレットパソコンを購入しなかったため。 質問紙調査の実施(データ入力・質問紙の郵送費)の実施費用に当てるとともに、国内・海外調査を可能な範囲で実施する。また、研究の必要に応じてノートパソコン又はタブレットパソコンを購入する。
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Research Products
(9 results)