2015 Fiscal Year Annual Research Report
障害者グループホーム・ケアホームと地域との関係形成支援の実態と課題に関する研究
Project/Area Number |
25380810
|
Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
船本 淑恵 大阪大谷大学, 人間社会学部, 准教授 (30454581)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 障害(児)者福祉 / グループホーム / 地域生活支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に示した研究課題の進捗状況について報告する。平成27年度は次の二つの研究課題(【課題3-1】GH事業者の地域関係形成支援の支援内容・程度の違いを把握する。【課題3-2】地域関係形成支援の内容・程度による地域生活の質への影響について分析する。)を遂行し、【目的4】地域関係形成支援の実態と課題を述べ、研究の総括を行う計画であった。 上記二つの課題の分析データを得るために、GH事業所を対象に全国調査を実施した。配布数1334通、回収数640通、回収率48.0%、有効回答数633通の結果が得られた。GH職員が地域との関係形成に関して「全く携わっていない」への回答は3ヵ所、0.5%であった。ほぼすべての事業所が、何らかの取り組みを行っていることが分かった。また、自治会などの地域組織や地域住民への働きかけを意識的に行い、その結果、GHや障害者への理解が深まってきたと感じていると述べられていた。しかし、GHの立地など地域的条件によってそもそも働きかけそのものが難しいという記述も見られた。また、入居者と地域・地域住民との関係は、回答者の属性や入居者の対象障害によっても相違がみられる。そして、地域関係形成に関して「困りごとがある」と回答した割合は75.2%、「特に困っていることがない」は16.6%であった。加えて、類型化した困りごとから、「制度的条件」への回答割合が高いという結果が得られた。本調査より、地域関係形成支援の実態と課題を総括的に述べるなら、回収率と取り組みのあった割合の高さから、GH職員は地域関係形成に高い関心を持っていることが分かった。しかし、制度的条件によって限界を感じている現状である。 本研究の意義は、地域との関係を構築するための具体的な取り組みについて明らかにすることができたことである。今後、本研究で得られたデータを利用し、研究成果として報告を行っていく。
|