2014 Fiscal Year Research-status Report
英国福祉国家再編とソーシャルワークの社会的企業化に関する研究
Project/Area Number |
25380814
|
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
山本 隆 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (90200815)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 惠子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (20309503)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ソーシャルワーク / 社会的企業 / 高齢者ケア / 介護予防 / トパーズ |
Outline of Annual Research Achievements |
毎月ベースで、「関学社会起業塾」(於関学梅田キャンパス)を開催し、ソーシャルワークの社会的企業化に関する文献資料を検討した。8月には渡英して、15日にノーザンプトン大学を訪問し、クリス・ダーキン氏およびリチャード・ハーゼンバーグ氏から、労働統合型社会的企業に関する情報・知見を得た。21日には、高齢者ケアを実践する社会的企業・トパーズ(Topaz)を訪問し、介護予防のセッションに参加した。22日には、ランベス区成人ソーシャルケア部を訪問し、副部長フィオナ・コノリー氏から自治体施策やパーソナライゼーションに関する情報・知見を得た。 帰国後、10月20日には『社会的企業論 もうひとつの経済』を法律文化社から出版し、英国を含む海外の社会的企業の比較研究を提示した。 11月23日~29日には、クリス・ダーキン氏を関西学院大学に招聘し、上ケ原キャンパスで講演会・研究会「英国のニートおよび社会的に不利な立場の人たちを支援する社会的企業-ソーシャルワークスキルを基盤として-」を開催した。研究会では、貧困低所得層の人々の生活問題、背景にある貧困・教育・家族・雇用の諸問題、彼らを支援する社会的企業の活動、社会的企業とソーシャルワークとの関わりに関する情報・知見を得た。さらに、ソーシャルワーク系社会的企業であるパーティシプルなどの事例紹介があった。 これらの調査および学術交流を通して、ソーシャルワーク系社会的企業に関する最新動向も把握することができた。今後は、ソーシャルワーク系社会的企業がもたらす社会経済的影響を考察したいと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目である平成26年度では、引き続き基本文献資料を検討し、研究対象であるトパーズのヒアリング調査を通して細部にわたる情報を得ることができた。また、ノーザンプトン大学の研究者との学術交流により、英国の社会的企業の最新動向に関する知見を得ることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年の平成27年度は、8月に、英国でトパーズを対象にして質的調査を実施する予定である。特に社会的企業が高齢者ケアにもたらすイノベーションの内容を実地調査し、同時に、行政機構が進めるアウトソーシングの現状を公私関係から考察したいと考えている。11月には、トパーズの経営者ディー・ケンプ氏を日本に招聘して、兵庫県芦屋市で職員研修会、関学社会起業塾(関学梅田キャンパス)で研究会と一般講演会を開催する予定である。
|
Causes of Carryover |
最終年度の2015年度に英国と日本で実地調査を行う予定であることから、旅費に充当したいため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年8月に英国調査を実施する。日本では、東京・神奈川の同タイプのソーシャルビジネスの調査を実施する。
|
Research Products
(3 results)