2015 Fiscal Year Annual Research Report
精神病者監護法・結核予防法およびらい予防法の制定・実施過程の比較研究
Project/Area Number |
25380818
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Research Institution | Kansai University of Social Welfare |
Principal Investigator |
村上 貴美子 関西福祉大学, 社会福祉学部, 客員教授 (00301846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇都宮 みのり 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (80367573)
半田 結 関西福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (10595268)
中尾 友紀 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (00410481)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 精神病者監護法 / らい予防法 / 結核予防法 / 精神病院法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、平成22年度採択(基盤C 22530657)「精神病者監護法・癩予防法および結核予防法の制定・実施過程の比較研究」の継続研究である。精神病者監護法(1900)、癩予防法(1907)および結核予防法(1919)の3つの法律を分析対象とし、(1)三法制定過程比較による慢性3疾患別政策意図の検証、(2)三法実施・運用過程における慢性3疾患別課題の明確化、(3)三法実施・運用に伴う各法の対象者の生活実態の変化の検証の3つの分析を行うものである。平成27年度は、上記のうち、(1)と(2)を中心に研究をすすめた。つまり、三法の(2)実施レベルでの検証を行い、明治後期から第二次世界大戦前に至るまでの慢性3疾患患者に対する政策の実施過程を明らかにした。 1900(明治33)年に制定された精神病者監護法はその成立要因に民法をめぐる内務省、法学者、医師の論議が存在した。1907(明治40)年に成立した癩予防に関する法律の成立要因に、西欧諸国の仲間入りを目標に「一等国日本」を目指す我が国のハンセン病対策に対する無策の汚名返上がある。1919(大正8)年に制定された結核予防法は、富国強兵策をスローガンとする経済政策、それを支える労働政策として制定した。三疾病罹患者のうち「療養の道なき者」は隔離・収容された。この隔離・収容政策の実施過程において三疾病の特徴が浮き彫りにされ、その後の三疾病に対する「差別」意識の相違を醸成する潜在的要因となった。
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Research Products
(6 results)