2016 Fiscal Year Research-status Report
「修復的実践」に基づく包括的「いじめ」対応モデルの構築
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25380822
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
下西 さや子 広島国際大学, 医療福祉学部, 教授 (80645490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 晴美 広島国際大学, 医療福祉学部, 教授 (80331859)
西村 いづみ 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 講師 (90405522)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | いじめ / 修復的実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1970年代後半から少年司法分野において実践されている修復的司法(Restorative Justice)を学校現場に応用した修復的実践が、アメリカ・カナダなど諸外国で効果を上げていることに着目し、修復的実践の理念と手法を調査分析するとともに、日本の学校文化に適合した活用のあり方を探ることにある。
本年度は、1)ミネソタ州教育局およびミネソタ州内の学校など、修復的アプローチを先駆的に導入し実践してきた教育関係者に対するインタビューやRJサークルの実際など、昨年度実施した現地視察結果を中心に、今日的な修復的実践の方法、修復的実践の効果など、視察の際に得られた関連資料の整理と分析を行った。 2)小学校・中学校・スクールソーシャルワーカーなど学校関係者を対象に、平成26年度大学生を対象に行った回顧的いじめ調査結果および平成28年度に実施したアメリカでの視察で得られた情報を基に、アメリカにおけるゼロトレランスと日本への影響、学校における修復的実践導入の歴史や理念、修復的実践の実施形態、修復的実践の基盤となるRJサークルからカンファレンスに至るプロセスと手法について、調査報告会を実施した。合わせて修復的実践(RestorativPractices)の導入の可能性について意見交換・情報収集行った。 3)2016年9月11日、日本社会福祉学会第65回秋季大会において、「『修復的実践』に基づくいじめ対応の必要性と課題‐いじめ当事者インタビューとミネソタでの視察を通して」と題して、これらの成果を口頭発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度の研究計画は、これまでの調査研究の成果を報告書としてまとめることにあったが、「いじめへの対処実態に関する学校関係者へのインタビュー調査」について、調査協力対象者との日程調整がつかず、実施に至らなかったこと、また、大学での業務の急激なかつ予想外の増加があり、東京でのテーマに関連した研究会などへの参加ができなかったことから、当初の計画より調査研究がやや遅れている現状にある。
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Strategy for Future Research Activity |
①アメリカでの視察調査を含め、これまでフィールドで得られたデータの更なる分析を行う。 ②日本におけるいじめ対処実態について情報収集および聞き取り調査を行う。 ③日本における修復的実践の展開について新たなデータを得ること。 ④テーマに関連した研究会・ワークショップなどへの参加。
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Causes of Carryover |
当該年度の使用予定額は、1,602,074円であり、実支出額は、524,071円であった。次年度使用額が生じたのは、予定していた県外での研究会への参加や学校関係者へのインタビュー調査が、大学業務や日程上の都合から実現できなかったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、修復的実践に関する海外文献翻訳費用、学会参加費用、東京で開催される本テーマに関連する講演会、ワークショップ参加費用、報告書作成費用を予定している。
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Research Products
(1 results)