2013 Fiscal Year Research-status Report
貧困の連鎖を断ち切るための学校、家庭、地域の連携支援システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
25380823
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
大西 良 久留米大学, 比較文化研究所, 講師 (10421306)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 子どもの貧困 / 貧困の連鎖 / 児童虐待 / 居場所づくり |
Research Abstract |
初年度(平成25年度)の研究目的は、貧困に生きる子どもへの支援に取り組む複数のソーシャルワーカーを対象に、個別のインタビュー調査ならびにグループインタビュー調査を実施することによって、子どもたちが抱える様々な生活課題への具体的な支援方策および支援内容について明らかにすることであった。特に今回は、ソーシャルワーカーによる「人と環境の相互作用」に焦点を当てた連携機能について、その具体的な方法や手順、効果について検証した。調査の結果、ソーシャルワーカーは学校や家庭、地域などのミクロからマクロレベルにおける多方面での連携機能を担っており、また連携の「強度(強さ)」、「ベクトル(方向性)」、「持続性(継続性)」といった観点からソーシャルワーカーの連携機能を評価することの重要性について示唆した。この結果を手掛かりに、2年目以降は「貧困の連鎖」を背景とする子どもの様々な生活課題について、事例検討を通じて、より具体的な連携の在り方や連携システムについて検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度(平成25年度)に掲げた研究課題(小テーマ)は、「ソーシャルワーカーの連携機能に関する実態調査」と「ソーシャルワーカーにおる連携機能の評価スケールの開発に関する研究」の2つであった。この2つの研究課題について、当初計画したスケジュール通りに研究を進めることができ、一定の成果を上げることができたいるため、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度(平成25年度)の研修成果を踏まえて、2年目(平成26年度)は、ソーシャルワーカー等の支援過程における多機関・多職種の連携構造および連携促進(あるいは阻害)要因に関する評価を行うとともに、「貧困の連鎖」と関係性が深い、虐待、不登校、非行等の事例を取り上げ、それぞれの事象について複数の事例研究から連携の在り方について総合的な検討する。 研究方法としては、単一事例実験計画法(ABデザインもしくはABAデザイン)による援助過程の効果検証を行う。また、アセスメント記録、プランニング記録、モニタリング記録などのソーシャルワーカーが記した記録データを対象にグランテッドセオリー理論を用いて分析・評価を行う。
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