2014 Fiscal Year Research-status Report
終末期を主に病院以外で過ごした人のターミナル支援に関する研究
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25380827
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
山崎 きよ子 九州保健福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (20331150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 宏子 国立保健医療科学院, その他部局等, その他 (10183625)
原 修一 九州保健福祉大学, 保健科学部, 教授 (40435194)
西田 美香 九州保健福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (50509718)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | エンドオブライフ / 看取り / 病院外の看取り / 在宅死 / 施設死 / 看取りのシステム / 地域包括看取り |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度は病院以外でターミナルを過ごす場所として、特別養護老人ホーム、民間の施設などでの聞き取り調査を行った。また、文献などで現況の分析を行った。さらに市民を対象とした在宅ターミナルの研修会で市民の意見の聞き取りを行った。 調査から見えてきたことは、病院以外での看取りの課題である。一般市民の意識、医療者の意識、介護職の意識などが在宅看取りの成功を左右することが示唆された。 病院以外での看取りを実践している施設(ホームホスピス)では10年以上の実績を持ち、訪問医療と訪問介護、訪問看護に加えて、訪問臨床薬剤師も連携を取っていることが分かった。いかに多くの職種がチームを組んでいるかが理解できた。また市民の意識をかえていかなければ在宅やホームホスピスでの看取りは難しいこともわかった。また在宅死を希望しても死亡時に医者が立ち会わないと警察が事件として取り上げるなどの誤解もあり、様々な誤解を丁寧に解いていく努力も必要であることが示唆された。 このような取り組みに、介護支援専門員の果たす役割の大きさが理解できた。また特別養護老人ホームでのとりについて、行っているところと、行っていないところにはっきり分類できた。行っているところは様々なシステムを構築してやっているところと自然に、特に普段の介護と変わりなくやっていると答えたところに分かれた。今後さらに聞き取りを行い、それぞれのホームでの方法について理解していきたい。また、特別養護老人ホームへも入所できず、一般の有料の老人ホームにも入所できない貧困者の看取りをおこなっている施設からの聞き取りも行った。そこでは死後の葬祭や遺骨も家族は関係を断ち、僧侶が無料で弔いを行い、遺骨を引き取り供養しているとのことであった。様々なターミナル期、看取りについて調査することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査を予定していた時期が、予期せぬインフルエンザ大流行と重なるということになり、聞き取りを予定していた施設や病院が流行が収束するまで待ってほしいとのことで研究が進まなかった。今後季節もよくなり流行も収まったので調査を再開することで遅れは取り戻せると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は最終年であり研究結果の分析も進んできた。そこで本年6月に行われる日本老年社会科学会でエンドオブライフの分野にて、学会発表する予定となっている。今回の発表は、高齢者が死亡場所はたとえ病院でも死亡直前までは病院以外で過ごすことが多いこと、病気での闘病と合わせて介護が必要であり、遺族満足度は介護の充実も影響を与えていることが示唆されたことから、病院以外でのターミナル期の支援の在り方また、在宅死の在り方や施設死の在り方について研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
調査を予定していた時期のエリアでインフルエンザの大流行が発生し、調査が中断された。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
6月に再度調査地、および調査者を決定し、承諾を得る。また日本老年社会科学会で学会発表を行う。7月から調査を再開し、12月まで調査を行う。その後報告書を作成し、配布する。
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