2015 Fiscal Year Research-status Report
カップル単位志向の測定手法の開発とジェンダー・パーソナリティ、心理的健康への影響
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25380861
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Research Institution | Kobe Shoin Women's University |
Principal Investigator |
土肥 伊都子 神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 教授 (00298994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣川 空美 梅花女子大学, 看護学部, 教授 (50324299) [Withdrawn]
長友 淳 関西学院大学, 国際学部, 准教授 (50580643)
佐藤 望 近畿大学, 社会学部, 准教授 (60268472) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本型家族志向性 / ジェンダー・パーソナリティ / 心理的健康 / 自尊心 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,個人のパーソナリティがジェンダー化して,女性が女性性だけに偏り,男性が男性性だけに偏ることの原因は,日本型家族関係にあるという仮説を,実証的に検討するものである。つまり,日本の夫婦はカップルが単位となり,心理的に自立するよりも相互に依存し合う関係や,便宜的に夫婦役割関係を維持する関係を志向するのではないかと考えた。そしてこうした家族志向性によりパーソナリティがジェンダー化すると,自尊心や幸福感などの心理的健康に否定的な影響があるのではないかと考えた。 そこで,平成27年(2015年)度には,平成25年度に行ったインタビュー調査をもとに平成26年度に作成した「日本型家族志向性尺度」を日本心理学会で発表した。また,「家族心理学研究」に,尺度作成に関する論文を投稿,修正中である。 また,日本型家族志向性尺度と共同性-作動性尺度,主観的幸福感,プロアクティブパーソナリティ,自尊心,恩恵享受的自己感との関連についての質問紙調査も行った。その結果,男女とも,心理的両性具有型は,どの指標においても,最も心理的健康度が高く,反対に未分化型が最も低いことがわかった。ただし,日本型家族志向性と共同性・作動性[女性性・男性性)との関連は認められなかった。これについては,平成28年度の国際心理学会(ICP)で発表する(原稿受理済み)。さらに,結婚相手の選択に関する実験も行った。その結果およびその実験の際の自由記述の収集も現在分析中で,平成28年度の日本社会心理学会で発表する(原稿受理済み)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本型家族志向性とジェンダー・パーソナリティとの関係,およびジェンダー・パーソナリティが心理的健康に及ぼす影響について,質問紙調査を行え,形としてまとめたこと,および自由記述の内容と対応した実験研究も行え,それを分析する段階に到着していることなどによる。
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Strategy for Future Research Activity |
質問紙調査の分析,考察を論文としてまとめる。 結婚相手の選択に関する実験結果を分析し,考察したものも,学会発表で得られた成果をもとに論文としてまとめる。 日本型家族志向性尺度作成の投稿論文が受理されるよう,必要があれば加筆修正を行う。
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Causes of Carryover |
海外での研究のための旅費を計上していたが、それを国内での研究に変更したため、旅費が支出額を下回った。ただし、その分、国内での実験研究のデータ分析のために支出し、差し引きで、予定していた支出額を下回ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果を国際学会で発表するための費用は、すでに予算に計上しているが、それ以外にも国内での学会でも発表回数を増やす予定である。そのための参加費として、次年度使用額の分を使用する計画である。
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