2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25380872
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
園田 菜摘 横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (00332544)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 幼児期 / 対人的自己効力感 / 母子関係 / 育児不安 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、対人関係が広がり始める幼稚園年少児から年中児、年長児にかけての3年間において、子どもの社会性の発達を縦断的に検討し、母親、保育者、仲間といった重要な他者との関係性がどのような影響を与えるかについて明らかにすることを目的とした。 3年目の最終年度である平成27年度は、年長児を対象に母親の養育態度、育児感情が子どもの母親への関係性である認知、愛着にどのように関連し、さらに子どもの自己評価の発達にどのような影響を与えるのか検討を行った。幼稚園年長児クラスの子どもの母親81名に対して質問紙調査を行い、養育態度、育児不安について測定した。また、40名の子どもに対しては母親への認知、保育者に対する認知、対人的自己効力感を絵カードを用いた面接調査により測定した。さらに、26名の子どもに対してドールプレイ法により愛着関係の測定を行った。 その結果、母親の育児不安の「子どもの発達への不安感」が高いほど、ジュースをこぼすストーリーにおける愛着得点が低いことが示された。また、母親の育児不安の「育児負担感」が高いほど、子どもの対人的自己効力感が低いことが示された。また、子どもが母親を拒否的であると認知しているほど、子どもの対人的自己効力感が低いことが示された。子どもの保育者への認知については、有意な関連は示されなかった。 以上のことから、母親の育児不安は5歳時点での子どもの愛着、仲間に対する効力感にマイナスに影響すること、さらに子どもが自分は母親から拒否されていると認知することは仲間に対する効力感を低めることが示唆された。
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