2015 Fiscal Year Research-status Report
集団式ワーキングメモリテストとワーキングメモリトレーニングプログラムの開発
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25380879
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
湯澤 正通 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10253238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯澤 美紀 ノートルダム清心女子大学, 人間生活学部, 准教授 (80335637)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ワーキングメモリ / アセスメント / 教育 / 児童 / 生徒 / 学習 / 発達障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、発達障害児を含む学習に問題を抱える児童・生徒が、ウェブ上でワーキングメモリのアセスメントを受け、ワーキングメモリプロフィール(ワーキングメモリ構成要素の標準得点に基づき、学習における弱い側面、強い側面についての診断)を得られるツールを開発し、それを生かした学習システムを開発することである。本年度の目的は、コンピュータベースのワーキングメモリ課題の修正版を作成し、小学校および中学校で実施し、年齢別の基準データを収集するとともに、学習に問題を抱える児童・生徒にそれを実施し、課題の信頼性・妥当性を確認することであった。公立小学校および中学校で課題の修正版を実施し、共分散構造分析による課題間の関連を調べた。その結果、言語的短期記憶、言語性ワーキングメモリ、視空間的短期記憶、視空間性ワーキングメモリを測定するそれぞれ2課題、合計8つの課題は、言語領域と視空間領域に分かれた。また、ワーキングメモリ課題をウェブ上で、学習上の困難を示す子ども約100人に利用してもらった。その結果、ワーキングメモリプロフィールと学習上の困難の間に以下のような傾向が見られ、課題の信頼性・妥当性を確認することができた。1、新しい言葉が覚えられず、特殊音の読みや漢字の読みに困難を示す児童・生徒は、言語的短期記憶、言語性メモリーが弱い。2、文章の理解、文章題の解決、作文などに困難を示す児童・生徒は、者言語性ワーキングメモリが弱い。3、漢字の書きに困難を示し、また算数の学習に困難を示す児童・生徒は、視空間的短期記憶または視空間性ワーキングメモリの弱い場合が多い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ウェブ上で実施できるワーキングメモリのアセスメントツールを作成し、学習上の困難を示す子どもに実施し、信頼性・妥当性を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
ワーキングメモリのアセスメントに基づいて、効果的な支援(トレーニング)を検討することである。
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Causes of Carryover |
ワーキングメモリトレーニングプログラムを大規模に実施する予定であったが、発達障害の児童5名に対して予備的に実施したところ、予想した結果ではなかったため、プログラムを再検討して、次年度に実施することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
小学校で読み書きに困難が予想される児童に対して、トレーニングプログラムを実施する予定である。
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