2014 Fiscal Year Research-status Report
心理臨床家と伝統工芸職人の専門的経験の世代継承性に関する発達臨床心理学的研究
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25380880
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡本 祐子 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90213991)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | プロフェッショナル・アイデンティティ / 世代継承性 / 心理臨床家 / ライフヒストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 研究Ⅰ: 心理臨床家および伝統工芸職人(陶芸家)の生成と次世代への継承に関する面接調査研究をまとめ,岡本祐子(編著) 2014 『プロフェッションの生成と世代継承-ケーススタディ:中年期の実りと次世代の育成-』(ナカニシヤ出版,「世代継承性シリーズ」第1巻)として出版した。
(2) 研究Ⅱ: 心理臨床家のプロフェッショナル・アイデンティティの生成・深化と世代継承性に関する研究として,鑪幹八郎広島大学名誉教授に対する30時間の個別面談を行った。ライフヒストリーの分析によって,心の問題の探究の原点としての幼児期体験(信頼される体験,活発性),育ちの断絶感を埋めるための「深い内省とコミットメント」,専門家になっていく過程での先生(上の世代の指導者)との関係性の重要性が明らかにされた。本研究は,「世代継承性シリーズ」第2巻として,ナカニシヤ出版より2016年に刊行の予定である。(なお,本研究の成果の公表については,鑪幹八郎教授の承諾を得ている。)
(3) 研究Ⅲ: EriksonのGenerativity(世代継承性)に関する研究の動向を展望し,今後の世代継承性研究の課題を考察するため,1950~2014年にアメリカ合衆国をはじめとする諸外国で刊行された論文 約600編を入手した。現在,理論的論考,高齢期・中年期・青年期のアイデンティティと世代継承性,子育ておよびキャリアとの関連,臨床的問題,世代継承性の民族的研究の各領域別に分類し,まとめと論評を行っている。この研究は,「世代継承性シリーズ」第3巻として,ナカニシヤ出版より2017年に刊行の予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. 研究Ⅰ(心理臨床家と伝統的工芸職人の専門家アイデンティティの生成と世代継承性に関する研究Ⅰ)は,2013年度に研究を終了し,2014年度に,「世代継承性シリーズ」第1巻『プロフェッションの生成と世代継承―ケーススタディ:中年期の実りと次世代の育成―』(岡本祐子(編著) ナカニシヤ出版)として出版した。 2. 研究Ⅱ の面談による調査は,2014年度中に完了し,現在,分析・執筆・編集中である。2015年度中には,編集作業を終え,「世代継承性シリーズ」第2巻として2016年に刊行の予定である。 3. 本科研研究および今後の世代継承性の心理学研究の土台となる,世界の世代継承性に関する全研究を網羅した研究レヴューも,並行して進んでいる。(順調に運べば,2017年度に刊行の予定である)
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書に記載したスケジュールで実施する。
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Research Products
(10 results)