2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25380888
|
Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
名尾 典子 文教大学, 人間科学部, 講師 (10327041)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
首藤 敏元 埼玉大学, 教育学部, 教授 (30187504)
登張 真稲 白百合女子大学, その他部局等, 研究員 (60599405)
大山 智子 白百合女子大学, その他部局等, 研究員 (40598786)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 協調性 / 協力志向 / 協調的問題解決 / 調和・同調 / 幼児 / 児童 / 親評定 / 尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究では、本研究の原点となる協調性尺度(登張他、2012)を再分析し、25項目を選択して一部の表現を変更した新たな質問紙を作成し、高校生に対して調査を実施した結果から「多面的協調性尺度」(登張他、2015)を作成した。また、この「多面的協調性尺度」をもとに、児童の協調性の発達を測定するために、児童の親が評定する、協力志向、協調的問題解決、調和・同調の3下位尺度からなる「親評定・児童用多面的協調性尺度」(登張他、2015)を作成した。また、子どもの協調性の発達と親の養育態度との関連を検討するために、「子育てスタイル尺度」(登張他、2016)を作成した。「親評定・児童用多面的協調性尺度」と「子育てスタイル尺度」を含む質問紙調査を小学生の親1966名に実施した結果の一部を学会にて発表した(名尾他、2016)。その結果、親による子どもの協調性の発達の評定においては、男子より女子の発達が早く、特に協調的問題解決においては学年差も性差も大きかった。協力志向については、学年差は大きいが性差は大きくなかった。調和・同調は男女差が大きく、女子が高かった。 また、同内容の質問紙を幼稚園児・保育園児の親333名にも実施した結果の一部も学会にて発表した(田村他、2016)。本研究は、親評定による幼児の協調性の発達と習い事との関係について検討したものである。結果として、スポーツ系の習い事をしている群と全く習い事していない群の比較において、協力志向が有意に高かったことが明らかとなった。 幼児の協調性の発達及び児童・幼児の協調性の発達と子育てスタイル尺度との関連についての研究内容は、平成28年度に学会にて発表する予定である。 また、平成26年度に学会発表した、協調性に対する教師の考えについて論文にまとめ発表した(名尾他、2016)。同様に、多面的協調性尺度に関する研究内容を論文としてまとめ発表した(登張他、2016)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
質問紙調査を実施したが、データが膨大であるため、データ入力は外注したものの、細部の点検や分類のし直し等で非常に手間がかかり、研究の進捗状況に大きな影響を及ぼした。また、研究分担者のうち2人が研究以外の業務で多忙となり、全員で集まり研究について打ち合わせすることが非常に難しくなった。また、研究者1名は平成28年度から所属先も変わり体調を崩したことから、学会発表が取り消しになった。そのため、研究の分担については最低限のことを決めてできる範囲で進め、個々で学会発表及び論文作成等を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
全員で集まり研究の打ち合わせをする機会は今後も少ないと予想されるため、できるだけ集まれるメンバーで集まる機会を持つこと、メールにより情報の共有・意見交換をはかることをしていきたいと考えている。また、今年度より研究協力者が1名加わったので、多忙なメンバーに代わり動ける部分は分担してもらい、研究を進めていきたい。平成28年度は最終年度でもあり、これまでの研究の成果をできるだけ多く、学会にて発表したり論文としてまとめていきたい。
|
Causes of Carryover |
平成27年度は、平成26年度に行った前倒し請求の余剰分と27年度の割り当て分があったが、データ分析の時間がかかったため研究成果をまとめる時間が足りず、学会発表等の回数が少なく、旅費交通費の支出が少なかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は最終年度のため、積極的に学会における研究成果の発表を行う予定である。 国際学会にて発表を予定しているため、英文校閲の費用がかかる予定である。また、1名の研究者がデータ分析のために使用しているパソコンが古くなり、データ分析ソフト(SPSS)も旧バージョンのためサポート期間が切れてしまったため、早急に買い換える必要が生じている。平成28年度にかかる費用についてできるだけ早く見積もり、余剰分をPC及びソフトの購入に充てたいと考えている。
|