2013 Fiscal Year Research-status Report
「チーム援助」を促進できるリーダー教員育成プログラムの開発
Project/Area Number |
25380896
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
田村 修一 創価大学, その他の研究科, 教授 (00442020)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | チーム援助 / リーダー教員 / 育成プログラム |
Research Abstract |
本年度は、①「『チーム援助』を促進できるリーダー教員育成プログラム」の開発に必要な基礎的資料を収集すること、②プログラムの効果測定に使用する尺度の開発を主眼に研究を進めた。 はじめに、プログラムの効果測定に使用する尺度の一つとして「チーム援助志向性尺度」(石隈,2000)を改良して、「簡易版チーム援助志向性尺度」を新たに作成し、教師自身のメリット、問題解決・対処のメリット、チーム援助に対する不安の3因子を見いだした。 続いて、各学校における「チーム援助」のコーディネーター役として期待されている養護教諭に焦点をあてて、首都圏A市の全小・中学校の養護教諭を対象に「チーム援助志向性」と「チーム援助の実践上の悩み」について質問紙調査を実施した。その結果、「チーム援助志向性」については、養護教諭の「教師自身のメリット」および「問題解決・対処のメリット」の各下位尺度得点の平均値が、教職志望の大学生のそれに比べ、統計的に有意に高かった。また「チーム援助に対する不安」の下位尺度得点の平均値は、養護教諭と教職志望の大学生の間に有意差はなかった。一方、養護教諭の「チーム援助の実践上の悩み」に関する自由記述の内容を瀬戸・石隈(2003)の「チーム援助のコーディネーターの4つの機能」の枠組みで分類した結果、「役割と権限」及び「専門的知識」に関する悩みに比べて、「状況判断・チーム形成」及び「話し合いの能力」に関する悩みが圧倒的に多いことがわかった。これらの研究結果から、現在の学校現場では「援助チームを形成すること」や「援助会議を円滑に進めること」に養護教諭が日常的に苦戦していることがわかった。 以上の研究結果から、教育現場では「チーム援助」が求められているが、チーム形成や援助会議の進行に苦戦している現状が伺え、「チーム援助」を促進できるリーダー教員の育成の意義を改めて確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度中に作成する予定であったプログラムの効果測定用の「チーム援助のコーディネーション・マネジメント能力尺度」がまだ未完成のため。新たにインタビュー・データなどを追加して、早急に作成したと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、前半に「チーム援助を促進できるリーダー教員育成プログラム」の内容に関する検討およびプログラムの作成、後半は開発したプログラムを使用した介入実験を行う予定である。実験の対象者は、教職大学院の学生(現職教員及びストレートマスター)約5名に加え、現職教員3名を加えて、最低でも8名の協力者を得て、実施したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入予定の書籍の出版が次年度に伸びたため。 次年度に書籍の購入をする予定である。
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Research Products
(2 results)