2014 Fiscal Year Research-status Report
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25380897
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
山崎 めぐみ 創価大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80596239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富岡 比呂子(井上比呂子) 創価大学, 教育学部, 准教授 (60440236)
望月 雅光 創価大学, 経営学部, 教授 (70284601)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アカデミックアドバイジング |
Outline of Annual Research Achievements |
創価大学および協力大学において、「学生にかかわる方へのアンケート」を実施した。アンケートの内容は1.アカデミック・アドバイジングの枠組み、2.異文化感受性発達モデル、3.アドバイジングとしての業務を聞くものとなっている。対象者は教職員で、回答数は60であった。 研究計画の段階において、自立した学習者を育成するために、学生のみならず教職員も自身の他者に対する傾向性を知ることにより、よりよいアドバイジングが提供できるようFDやSD活動にも役立てらることを想定していた。また、教職員が自身の傾向性を意識しながら、より学生のニーズに合った学生発達型のアドバイジングを提供することは、学生の成長にとってより効果的であると考えていた。 しかしながら、アンケートの結果から見えてたことは、当初予想していたものとは異なるものであった。異文化感受性発達は6段階に分かれているが、ここでは大きく自集団中心主義(ethnocentric)と集団相対主義(ethnorelative)とする。仮設としては、自集団中心主義の傾向性がある教職員は処方箋型のアドバイジング、集団相対主義の傾向性がある教職員は学生発達型のアドバイジングを提供する傾向性があるとしていた。アンケートの結果は、教職員の異文化感受性発達の段階に関わらず、見た目的には学生発達型のアドバイジングを提供していることが分かった。 このことから、当初は計画していなかったが面談記録を分析してみることとした。その結果、場合によっては必要になる処方箋型のアドバイジング(学生にやるべきことの指示を出し、フォローアップをする)がなされていないことが分かった。このことから、今後は教職員が自身の人との関わりの傾向性(異文化感受性)を認知するとともに、処方箋型・学生発達型をどのように使い分けを含めたアドバイジングの在り方を提案していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
まず、アンケートの協力者がなかなか集まらなかった。協力者60名と少ないが、現在のところ、アンケートはこのデータで分析をする。 次に、創価大学においては「教育としてのアドバイジング」を研修を通して学習支援を担っている学生スタッフに試行することができた。さらに、創価大学の1学部からFDにおいてアドバイジングの研修をする機会を提供され、アドバイジング研修を実施することができた。しかしながら、他学部においては実施することができていない。 最後に、協力大学におけるアドバイジング研修であるが、各大学の事情により進んでいない。今後、協力大学を他に求めることも考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は創価大学内の多くの学部において、「教育としてのアドバイジング」を研修していきたい。そのためには、実施後に予定していたインタビューを実施前に変更し、教職員のニーズを把握しながらアプローチしていきたい。その上で、研修前に質問紙に答えてもらうことを考えている。 協力大学においては、現在アカデミックアドバイジングの研修が行われていないところが多い。さらに、教員としてアカデミックアドバイジングという概念がなかなか優先順位の上位には上がってこない。このことから、職員(特に成績不振の学生に対応する必要がある部署)にインタビューをすることによりニーズを把握する必要があると考える。その際には、創価大学でおけるアカデミックアドバイジングの研修資料や事務部署との協力体制など、参考資料として提示し、使えるところはないか検討してもらうことを考えている。
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Causes of Carryover |
26年度は、協力大学への訪問ができなかったことが大きな理由であった。また、インタビュー調査の遅れもあり、情報収集や分析を担当してくれる学生に対する人件費も発生しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度は、協力校への訪問を数回にわたり計画している。また、インタビュー調査も本年度中に行うため、人件費も必要となる。
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