2013 Fiscal Year Research-status Report
児童期から青年期の親子間葛藤に関する質的・量的研究
Project/Area Number |
25380899
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
渡邉 賢二 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 教授 (50369568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平石 賢二 名古屋大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (80228767)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 親子間葛藤 / 養育態度 / 母親 / 思春期 / 児童期 / 量的 / 質的 |
Research Abstract |
小学校5校と中学校2校に調査を依頼し、小学5年生から中学3年生とその母親約1700組を対象に質問紙調査を実施した。調査内容は親子間葛藤尺度、養育態度尺度、母子相互信頼感尺度、心理的適応尺度(自尊感情尺度、精神的健康尺度)を用いた。親子間葛藤尺度については、Gondoliが作成した尺度を翻訳して用いた。使用に関しては、Gondoliに許可を得ている。翻訳については、代表者が行い、その後翻訳者にチェックを依頼した。養育態度尺度は2007年に代表者が中学生の子どもをもつ母親を対象として作成した「母親の養育スキル尺度」を用いた。 その結果、子どもについては、小学5年生から中学3年生にかけて、親子間葛藤は有意に増加していた。特に小学生と中学生の差異が示唆された。母親については、有意差が認められなかった。養育態度に関しては、子どもの学年が上がるにつれて、有意に減少していた。特に、小学生から中学生になると減少の度合いが大きかった。子どもは母親とのコミュニケーション量や母親と接することが減少していると感じている。しかし、母親については有意差がなく、母親は子どもの年齢に関わらず、同じように養育行動をとっていることが明らかになった。また、子どもの年齢に関わらず、母親が子どもと良好な関係を構築・維持する行動をとっていると、親子間葛藤は減少するということが明らかになった。小学5年生から中学3年生の子どもに対して、母親は子どもの変化に対応した相互調整的な養育態度、良好な関係性を考慮に入れた養育態度が重要であることが示唆された。 第25回日本発達心理学会で「思春期の親子間葛藤を考える」というテーマのラウンドテーブルを企画し、上記調査結果である「思春期の親子間葛藤と養育態度との関連」のタイトルで発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、小学生・中学生とその母親を対象に、質問紙調査を実施した。 欧米の親子間葛藤の尺度を使用するための許可と翻訳に時間を要した。しかし、小学校5校と中学校3校を対象とした質問紙調査に関しては、各校の校長先生に調査協力の許可を得ることができ、スムーズに実行することができた。 現在、データ分析を行っており、できるだけ早く論文の執筆に取りかかりたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目と3年目は、質問紙調査として、1年目の親子間葛藤尺度を精査して、尺度を見直したい。その後、縦断的な調査を実施する予定である。 質的な研究として、高校生の母親を対象に面接調査を行い、親子間葛藤をどのように受容し乗り越えたのか、葛藤からどのようなことを獲得したのか、また母親としてどのようなことが成長・発達したのか捉えていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は質問紙の印刷代金、アルバイト代金が計画したほどの金額ではなかった。また印刷機を購入しなかったため、若干金額が残ったと思われる。 平成25年度と同様に小学生・中学生とその母親を対象に質問紙調査を実施する予定である。また、質的研究として面接調査も予定している。 質問紙の印刷代金とデータ入力のアルバイト代金、面接調査のためのICレコーダー2台とビデオレコーダー1台を購入する予定である。面接調査の分析のため、アルバイトの賃金とパソコンの購入を予定している。またアルバイトにはデータの分析をお願いする予定である。
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Research Products
(1 results)