2013 Fiscal Year Research-status Report
成人初期における結婚生活に対するコミットメントの変容過程に関する研究
Project/Area Number |
25380902
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
宇都宮 博 立命館大学, 文学部, 准教授 (10320152)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 成人初期 / 夫婦 / 関係性 / コミットメント |
Research Abstract |
結婚生活に対するコミットメントは,結婚生活を継続させる中枢的機能であることや,関係の持続や改善を左右する鍵を握っていることなどが指摘されてきた。その一方で,コミットメントの「可変性」を取り扱った調査研究は,十分に行われていない。本研究では,成人初期の有配偶者を対象に,彼らが結婚前後および実際の結婚生活が開始して以降,コミットメントをいかに形成し,調整していくかに焦点を当てる。すなわち,成人初期における結婚生活に対するコミットメントの変化とそのメカニズムを実証的に解明し,今後どのような心理的支援が求められるのかを探っていくことが本研究の主な目的である。 2013年度では,文献研究を通して,配偶者との関係性の発達を力動的にとらえる概念としてコミットメントの有効性が示唆されるとともに,既存の実証研究の方法論的な課題が整理された。その後,結婚を控えている若年成人(自己および婚約者がともに20代もしくは30代に位置し,結婚歴がなく,入籍(ないしは挙式)を1年以内に控えている男女計200名)を対象とするオンライン調査が実施され,文章完成法への記述内容をもとに彼らのコミットメントに関する質的分析が行われた。さらに,得られたデータおよび先行研究の知見をふまえ,婚約者を有する人々の結婚に対するコミットメントを測定するための尺度構成が行われた。同尺度は,次年度の結婚前後でのコミットメントおよび心理的適応の比較検討において使用される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究に関する理論的検討を行った後,予定していた対象者へのオンライン調査を実施した。さらに,次年度より計画されているインタビュー調査のための準備を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度には,結婚前後でのコミットメントおよび心理的適応の変化を計量的手法により分析していく予定である。さらに,開始予定のインタビュー調査についても,新婚期夫婦を対象に実施し,結婚生活の基盤とされるコミットメントの形成プロセスを分析していく。
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