2015 Fiscal Year Annual Research Report
幼児の描画検査におけるコンピュータ自動診断・自動採点システムの構築
Project/Area Number |
25380903
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
矢藤 優子 立命館大学, 文学部, 准教授 (20352784)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | デジタルペン / 描画検査 / 幼児 / 児童 / ADHD |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,以下の2つの点をおもな目的とした。①フランスにおいて開発が進められている描画検査のコンピュータ自動診断システムおよび自動採点システムの構築,日本での適用 ②日本の幼児・児童の描画検査に行動計測機器(デジタルペン)を用いることで,描き終わった描画だけでなく描画プロセスのデータを定量的に収集し,標準化および妥当性の検証を行う。 描画検査としては,国際的に使用されているグッドイナフ人物画検査,ベンダーゲシュタルトテスト,Draw-A-Line slowly test,レイの複雑図形等を用いた。デジタルペンを使うことで,これまで指標化することが困難であった筆圧・筆速の変化や描き順などの描画プロセスを効率良く分析することを可能にした。 本年度は,京都府舞鶴市にある幼稚園・小学校に在籍する5-12歳児 244名(男児 127 名,女児 117名)に協力を依頼し,デジタルペンによる描画検査データを収集した。また,対象児の日常的な場面での注意・ 多動/衝動性など行動制御に関する傾向を調べるため,担任教師への質問紙調査(ADHD-RS-IV)を実施し,関連を調べた。 本研究の成果として,おもに次の2点が挙げられる。①従来経験と時間を要するとされてきた描画検査の採点作業を,描画解析ソフトElianによる自動採点システムによって簡便化できるようにした。②デジタルペンによる描画検査が発達障害やいわゆる「気になる子ども」 の早期発見,早期支援につなげる可能性を示した。
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