2015 Fiscal Year Annual Research Report
大学生のコミュニケーションスキルを育む教育プログラムの開発
Project/Area Number |
25380904
|
Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
西口 利文 大阪産業大学, 教養部, 准教授 (70343655)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | コミュニケーション教育 / グループディスカッション / 大学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,大学生のコミュニケーションスキルを高めるための,教育的効果のあるプログラムを開発することである。このプログラムは,大学生が日常生活で遭遇しうる,対人関係にまつわる問題場面(対人問題場面)を題材にしたもので,プログラムの利用者が,3,4人で1組のグループディスカッションにより事例検討することで,その場面の対応のあり方について,論理的に考えていくことを支えるといった内容である。コミュニケーションスキルの社会的側面と論理的側面の両者を同時に育むことができるプログラムを目指したものである。 上述の目的を果たすために,平成27年度においては,前年度(平成26年度)までに開発してきた,事例検討用の補助教材を活用した教育プログラムの効果について,実験的な実践を通じて検証を行った。この実験的な実践は,3,4人で1組の大学生によるグループディスカッションを対象として行ったもので,目的に応じてに2回に分けて行われた。このうち,ひとつの実験は,平成26年度中に実施したもので,平成27年度に入り分析をすすめてきた。その結果,補助教材に含まれる「賛否両論図」を活用することにより,60%のグループ(10グループ中6グループ)において,帰納的推論,演繹的推論を確実に行いながらグループディスカッションをしていたことを確認した。また,これとは別の実験的な実践を,平成27年度に実施した。ここでの実践から得られたデータを扱い,大学生において,補助教材に含まれる「賛否両論図」を適切に活用することにつながる個人属性がみられるかを知るための分析を行った。分析の結果,個人における自己のマネジメントのあり方や,グループディスカッションに対する志向性,再認テストに基づく学力が,「賛否両論図」を用いて論理的な推論を適切に行う現象と関連していることを確認した。
|
Research Products
(3 results)