2014 Fiscal Year Research-status Report
保育者の被援助志向性の検討とグループアプローチによる介入に関する研究
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25380911
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
齊藤 崇 日本体育大学, その他部局等, 准教授 (20461725)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 被援助志向性 / 保育者 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの研究において、現職の保育者11名に対して、半構造化面接における音声録音データにより、保育者の被援助志向性に関する予備項目が見出され、臨床心理学専門家3名による内容的妥当性の検討を実施したことから、当該年度においては、この予備項目について、構成概念妥当性や基準関連妥当性の検討を行うために、現職の保育者574名に依頼を行い質問紙調査を実施した。当初の本計画の予定であると現職の保育者200~300名に質問紙調査を実施する計画であったが、実際には、質問紙が戻ってきた調査対象者は460名となり、欠損値を除いた分析対象者は408名となった。現在、探索的因子分析や分布の確認などの統計的処理を実施し、分析と考察を行って結論を導き出す段階にきている。さらに、当初、当該年度に実施予定であった保育者の被援助志向性と精神的健康などの関連をみるための相関について分析・考察を行う研究については、計画では、現職の保育者200名を対象に質問紙調査を実施予定であったが、実際には、現職の保育者317名に依頼を行い、質問紙調査を実施した。現在、データ解析に向けてデータを整理している段階である。データの収集、整理を実施しているため、目途が付き、次年度は、保育者の被援助志向性に関する尺度が完成し次第、保育者に対してのグループアプローチによる介入研究を進めていきたいと考えている。実験群と統制群に分けての介入研究の調査を実施していきたいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備調査段階での当初の仮説と異なる結果が見出されたために、その後の研究の検証や再度の先行研究、文献等の検討作業を研究途中のプロセスに入れざるを得なかったことによる研究プロセスの遅れが、現在でも影響を与えている。ただし、研究データについては、必要なデータをできるだけ遅れを取り戻すために、全国の保育者に協力を依頼し、データ収集に関しては、おおむね順調にいっている。現職の保育者574名に対して、構成概念妥当性、基準関連妥当性などを分析するためのデータを依頼し、実際に欠損値を除く分析対象者が408名となり、当初予定人数よりも多くの協力者を得ることができた。現在、解析、考察中である。さらに、精神健康度などとの概念の相関を分析するために現職の保育者317名に依頼し、そのデータの整理、分析を実施しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
計画で昨年度までに実施しなければならない研究におけるデータ収集については、すでに調査が済んでおり、分析、考察などの実施を早め、早急に、保育者の被援助志向性に関する尺度の完成にこぎつけたいと考えている。そして、今年度の夏もしくは冬の時期に保育者へのグループアプローチの介入を実際に実施し、データを測定し、最終的な結論を出せるようにしていきたいと考えている。なお、保育者へのグループアプローチの介入研究に関しては、実験群、統制群というように、一定の協力者が必要であるため、協力者を得られるために保育団体との連携をとりながら、本研究課題の推進を図りたいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況がやや遅れているため、次年度の使用額が生じているものと考えられる。例えば、前年度実施した研究協力者に対する謝金等の支払いが、これからの支払い手続きとなるため、謝金等の使用額が次年度の使用額として生じたことが一つの要因としてあげられる。また、文献にかかる金額や研究で必要な諸経費について、できるだけ節約をしながら研究を実施しているため、次年度への使用額が生じたものと考えられる。さらに、成果について、大きな成果が出る前であるため、学会等の諸経費が次年度使用額として生じたものと考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初、計画した通りの研究費の使用を行いたいと考えている。まずは、謝金について、前年度、調査対象者に対しての謝金を支払う予定である。また、前年度まで、申請をしていなかった、当該研究の論文に必要な文献の費用についての申請も行う。本年度は最終年度でもあるため、介入研究対象者への研究協力の謝金や使用施設に対しての費用、さらには、調査に必要な交通費、学会発表のための費用、研究に必要な文具等の費用、そして、研究報告書作成の費用等について、計画通り使用していくものとする。
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