2013 Fiscal Year Research-status Report
包括的ストレス反応尺度の開発、及びその使用に基づく被災地でのメンタルヘルス対策
Project/Area Number |
25380915
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
若島 孔文 東北大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (60350352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 啓三 東北大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70149467)
安保 英勇 東北大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (50250650)
佐藤 宏平 山形大学, 教育文化学部, 准教授 (60369139)
生田 倫子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (10386386)
板倉 憲政 東北大学, 教育学研究科(研究院), 博士研究員 (20708383)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 臨床心理学 |
Research Abstract |
初年度(H25年度)は,災害に起因するストレス反応と,一般的に生じるストレス反応を包括的に測定する包括的ストレス反応尺度の作成を目的とした。さらに,作成した包括的ストレス反応尺度を用いて被災地A自治体職員のストレス反応に関する縦断的研究を行った。 分析1では,3980名を対象に29項目の包括的ストレス反応尺度項目に対して因子分析が行われ,4つの因子を抽出した。1つ目の因子は抑うつ・不安, 2つ目の因子は災害時特殊ストレス症状 ,3つ目の因子は不機嫌・怒り,4つ目の因子は自律神経症状であった。次に,分析2では,1101 名を対象に,包括的ストレス反応尺度の信頼性と妥当性及び災害時特殊ストレス症状に関する項目の分析を行った。その結果,包括的ストレス反応尺度は,十分な信頼性と妥当性を兼ねそろえており,東日本大震災の被災者に対する有効な活用法について示唆された。 加えて,被災した自治体を対象に,2011年から2013年の間の全4回(約900名)のストレス反応の縦断研究を行った。初期条件がその後のストレス反応にどのような影響を及ぼすか,また,現在のストレス反応がどのようなストレス反応のパターンと関連しているのかを探索的に検討し,初期条件(リスク要因)と注意すべきストレス反応の経過を検討し,明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
被験者の選定や分析に関しても十分に行なえたため,本研究が目指す包括的ストレス反応尺度(CSI)の作成やCSIの臨床応用に向けて順調に研究が進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度は,子ども版,老人版CSIの作成を目指す。現段階において小学4年生から高校3年生を対象に子ども版CSIのデータは取得済みである。同様に,高齢者を対象に高齢者版CSIのデータは取得している,今後これらのデータの分析・解析を進めていく。 そして,最終年度のH27年度では,CSIの総括とCSIを用いた被災者の現状に関する評価およびPTSDに影響する要因と対策を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度に包括的ストレス尺度(CSI)の高齢者版・子ども版の分析を行い,その結果を関連学会おいて発表する予定であったが,自治体職員のデータが膨大であったため,多少の計画の変更が生じたため。 包括的ストレス尺度の高齢者版・子ども版に関する分析および発表を次年度に行うこととし,未使用額は平成26年度請求額とあわせ,その経費に充てることとしたい。
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Research Products
(5 results)