2015 Fiscal Year Annual Research Report
包括的ストレス反応尺度の開発、及びその使用に基づく被災地でのメンタルヘルス対策
Project/Area Number |
25380915
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
若島 孔文 東北大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (60350352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 啓三 東北大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70149467)
安保 英勇 東北大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (50250650)
佐藤 宏平 山形大学, 教育文化学部, 准教授 (60369139)
生田 倫子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (10386386)
板倉 憲政 岐阜大学, 教育学部, 助教 (20708383)
平泉 拓 東北福祉大学, 公私立大学の部局等, 助教 (00760828)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 包括的ストレス反応 / 信頼性と妥当性 / メンタルヘルス対策 / 大規模災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度(H27年度)は,平成25年度から平成27年度に収集した高齢者1,168,大学生461名のデータを分析した。また,包括的ストレス反応尺度(Comprehensive Stress Response Inventory:CSI)の使用を含めた行政職員等のメンタルヘルス対策を報告した。 高齢者のデータ分析では,東日本大震災発生時に東北・関東圏にいた65歳以上の高齢者1,164名を対象とした.成人を対象に作成されたCSIの項目内容を高齢者が回答しやすい表現に改変し,確証的因子分析を行った。その結果,モデルの適合度は統計的許容水準を満たし,信頼性係数は十分な値を示した。依存的妥当性については主観的健康感,GDS-S-J,PHRF-SC(SF)E,IES-Rとの関連が認められた。また,ROC分析によりカットオフ値を設定した。 大学生のデータ分析では,461名の大学生を対象とした。CSIのうち一般ストレス反応尺度の3因子構造の確証を行った。確証的因子分析の結果,モデルの適合度は統計的許容水準を満たし,信頼性係数は十分な値を示した。依存的妥当性についてはSRS-18, PHRF-SCL(SF)との関連が認められた。また,ROC分析によりカットオフ値を設定した。以上のデータ分析では,平成25年度と平成26年度に行った分析と矛盾しない結果が示され,CSIは被災関係者のみならず高齢者と大学生のストレス反応を測定できる尺度として十分な信頼性と妥当性を有することを示唆した。
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