2015 Fiscal Year Research-status Report
青年期うつ病に対する治療ガイドラインの確立に向けた研究
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25380924
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 太 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30542683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 洋太 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (40539681)
野邑 健二 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 特任准教授 (50345899)
岡田 俊 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (80335249)
金子 一史 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 准教授 (80345876)
本城 秀次 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 名誉教授 (90181544) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | うつ病 / 抑うつ / 自傷行為 / 心的外傷 / 対人関係療法 / 精神療法 / 小児 / 青年 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に従って、症例をリクルートして治療を行った。治療プログラム全体のうち、対人関係療法に相当する部分の翻訳を微修正して、治療マニュアルとして確定した。治療マニュアルは、2016年4月22日に「思春期うつ病の対人関係療法」というタイトルで創元社から発刊された。 うつ病の併存症としてアセスメントしている慢性疲労症候群について、第56回日本児童青年精神医学会総会で口頭発表した。慢性疲労症候群に関する発表は日本児童青年精神医学会の学会誌である「児童青年精神医学とその近接領域」誌に投稿準備を進めている。 うつ病の併存症としてアセスメントしている摂食障害について、第19回日本摂食障害学会総会で口頭発表し、神経性やせ症過食排出型を伴う青年において、体重回復を中心とした摂食障害そのものの寛解なしには、抑うつ症状が改善しにくい可能性について議論した。 うつ病の一型として本研究においてアセスメントしている重篤気分調節症 Disruptive Mood Dysregulation Disorder (DMDD)について、臨床精神医学誌に論文を投稿し、DMDDを操作的に診断される症例において他の抑うつ障害をアセスメントすること、対人的な領域で高度な不和を生じている症例において対人関係療法のように対人的な不和を直接的に扱う治療プログラムを適用することの重要性について論じた。 科研22530736で検討された、青年期の非自殺性自傷に対する対人関係療法の有効性について、データを再分析して、第41回日本認知・行動療法学会で口頭発表した。 研究代表者に続く二人目、三人目の治療者の訓練のため、マニュアルの通読と議論を繰り返し、研究用マニュアル改訂の準備を進めた。具体的には、社交不安の高度な症例に対する心理教育、コミュニケーション分析、ロールプレイにおいて、自己注目や安全行動を扱う方法について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例のリクルートは順調であった。また、対人関係療法の実践に加えて、対人関係療法及び青年期うつ病に対する文献的検討を進めることによって、両者に対する理解が進展し、新たな治療者の訓練が進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
症例のリクルートの数を増やし、また、新たな評価者及び治療者の参加を進める。新たな治療者の参加に際して、治療者間の治療技法のぶれを統制することを目的として、これまでの治療経験を踏まえて、治療マニュアルを修正・確定する。 本研究と別に行われていた社交不安症に関する文献的検討を踏まえて、青年期うつ病の併存症として重要である社交不安症について、青年及び成人を含んだ症例データの解析を行う。名古屋大学医学部附属病院を受診した青年について、青年期うつ病を含めて、症例データの解析を行う。
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Causes of Carryover |
治療者の訓練が終了せず、今年度には雇用が開始されなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度から新たな治療者を雇用し、その雇用費に充てる。
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